本ブログでも取り上げてきた「桜を見る会」ですが、日に日に安倍総理が嘘をつきまくっていることが明らかになっています。
森友加計でもなんとかのらりくらりと逃げてきましたが今回に関してはついに「逮捕」もあり得るのではないかと言われています。
首相経験者の逮捕といえば、ロッキード事件の田中角栄などを思い出しますが、歴史においてそれほど多くあるものではありません。
しかし、そのような異常事態が空想とはいえないレベルになってきているのです。
本記事では今なぜ安倍首相の逮捕もあり得ると言われているのかを簡単にではありますが整理いたしました。
「安倍逮捕」が囁かれる理由
安倍首相がいよいよ逮捕ではないかと囁かられるようになった理由はなんでしょうか。
これは端的にいえば、「桜を見る会」に関連して自らを潔白とするための主張が崩れる情報が新しく出てきてしまったためです。
いくつかありますが、代表的なものが2つありますので、それを見ていきましょう。
「桜を見る会」前日の夕食会に関連する説明の破綻
まず本件に詳しくない方に前提として押さえて欲しいのは、「桜を見る会」には実際のイベントの時とその前夜祭という形で行われたホテルニューオータニでの宴会の二つがあったということです。
その上でまずここで取り上げるのは前者の前夜祭の方です。
こちらについては高級ホテルでのディナーパーティーが一人頭五千円の参加費だったということが今話題になっています。
どれほど低く見積もっても1万円はするとされ、仮に差額補填であれば、公選法に引っかかるとされ、ホテルが値引をしたならば政治資金法違反ではないかと言われているのです。
どっちに転んでも逮捕案件ではないかというわけですね。
さて、この疑問に対して、安倍首相は、「参加者の大多数が宿泊者という事情などを総合的に勘案してホテル側が設定した」(共同通信 https://this.kiji.is/569497581102859361?c=113147194022725109)と切り返しました。
つまりあくまで、この安すぎるように見える五千円の参加費は安倍首相及び安倍事務所ではなく、ホテルニューオータニ側が設定したのだというわけです。そして、格安になる根拠はホテル代の高さで相殺できるといいたげです。
それが事実なら確かにネットで騒がれているような逮捕に繋がるものとはいえなくなります。
しかしながら、ここ2−3日の間にその説明に違和感を感じることが色々と明らかになっていきます。
例えば、いくつかのメディアが報じていることですが、2015年及び2017年の同会では、参加者のほとんどがホテルニューオータニの宿泊者ではないという証言が多数出てきたのです。
参加者の一人はニューオータニには宿泊していないと証言し「桜を見る会のツアーバスは計10台ほどで、オークラ発が2、3台、残りはANAだった」と振り返る。
17年の日程表でも、宿泊先ホテルは「ホテルニューオータニ」「ANAインターコンチネンタル」の二つとされた。夕食会場のニューオータニと宿泊先が別だった人が一定程度いたとみられる。
『安倍首相の答弁矛盾、夕食会会場と宿泊ホテルは別』2019年11月19日 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/general/news/201911190001064.html
なぜ2015年と2017年の情報が大事かというと理由は二つあります。
一つは、2019年と参加費が同じだったことから類型のパーティーであった可能性が考えられるためです。
もう一つは、2015年2017年のホテルがホテルニューオータニとANAインターコンチネンタルホテルという二つだったことから2019年も両ホテルに分散して宿泊したのではないかという仮説がたてられるからです。
夕食会は一三年から毎年開かれ、一五年と一七年以降の会場はホテルニューオータニ、他はANAインターコンチネンタルホテル東京だった。今年のツアーの宿泊先は夕食会と同じホテルニューオータニだったとみられる。一五年、一七年、一九年のツアーの夕食会会費は、文書などから一人五千円だったと確認できる。
『夕食会場と宿泊先は別 15年桜を見る会ツアー文書』 2019年11月20日 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201911/CK2019112002000144.html
こうして、2019年の今年もホテルニューオータニとANAインターコンチネンタルホテルという二つの選択肢があったとすると「参加者のほとんどがホテルの宿泊者だからディナー価格についてホテルもその価格に設定した」という考えが崩壊するのです。
要するに、森友と似てますが値引きとされるほど安価な価格でのサービス提供を正当化するための根拠が崩れたということです。
そういった形で疑惑が立ち込めた後の首相の言葉が下記です。
安倍晋三首相は18日午前、首相主催の「桜を見る会」の前日に地元支援者を招いて開かれた夕食会の会費などを示す明細書について、「そうしたものはない」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。
『桜を見る会、夕食会費の明細「ない」 800人が参加―安倍首相』2019年11月18日 時事ドットコム
自らが白ならばありえない答え方です。
仮に白ならば明細を持っていないなんて自らにとって不利になることは絶対しようとしません。
明細は自分の潔白を示してくれるものですからね。
そういう意味で、明細を出せばやましいことがあるから「出せない」といっているとしか考えられないのです。
なお一部支持者が「領収書」と「明細書」を混同しているのですが、「領収書」の再発行は無理でも「明細書」の場合は何度でも発行できます。
仮に自分が無実なら率先してホテルに問い合わせてでも明細を出そうとするはずですが、なぜ安倍首相はしないのでしょう。
政府及びその関係者による推薦枠無しという嘘
続いては、「桜を見る会」の本丸に関するプロ私人安倍昭恵夫人の証言を取り上げます。
私がプロ私人と呼んでいるのは、個人的に言い始めたものではありません。
森友事件において安倍昭恵氏の関与が取りざたされた時に「安倍昭恵は私人」と閣議決定したことに端をなしています。
昭恵氏を巡っては、森友問題で関与が取り沙汰された際、
2017年3月14日に安倍政権は「 首相夫人は公人ではなく私人である」 とする答弁書を閣議決定している。今後、「私人」 である同氏がいかなる権限で政府の公式行事の人選に影響力を行使 したのか、議論を呼びそうだ。『「案を何人か」 安倍昭恵夫人が「桜を見る会」アッキー枠を認めた』 2019年11月20日 週間文春11月28日号
その閣議決定までして決めた「私人」の安倍昭恵夫人がなぜか税金で開かれる「桜を見る会」において推薦枠を持っていたことが明らかになったのです。
安倍晋三首相が多数の後援者を税金で接待し「私物化」
が問題視されている首相主催の「桜を見る会」。そこに、 安倍首相夫人の昭恵氏も知人を推薦していたことを「週刊文春」 の取材で認めた。「アッキー枠」の存在は、 これまで報じられてきたが、 昭恵夫人自身がこの件について語ったのは初めて。 『「案を何人か」 安倍昭恵夫人が「桜を見る会」アッキー枠を認めた』2019年11月20日 週間文春11月28日号
散々政府として、「私人」だとしてきておりながら公的なイベントに推薦枠を与えているというのも意味不明ですが、ここで押さえたいのはこの安倍昭恵氏の証言が政府見解の嘘を暴くものとなっている点です。
なぜなら、従来政府は「桜を見る会」においてとりまとめには一切関わっていないというスタンスを貫いてきたからです。
しかし、あっきーが推薦枠を持っていたということは首相の意向は少なからずあるでしょうし、それは政府関係者が少なくともとりまとめに関わっていなければ実現しなかったことです。
事実、今日の報道では首相周辺の政治家も推薦枠があったことを政府も認めています。
立憲民主党の那谷屋正義氏は、推薦への関与を否定した8日の首相答弁を追及。首相は「私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」と説明を変えた。共産党の紙智子氏が虚偽答弁の疑いを指摘したのに対しては「内閣官房や内閣府が行う招待者の最終的な取りまとめには一切関与しておらず、指摘は当たらない」と反論した。
『安倍首相が推薦関与、夫人も 答弁修正、招待枠1000人―桜を見る会』2019年11月18日 時事ドットコム
首相は「意見を述べただけ」という詭弁で回避を試みていますが、どう考えても虚偽答弁です。
このようなものを弁明として理解できる人がどれほどいるでしょうか。
これが理解できるのであれば、民間企業であれば即クビなることがわかりますのであなたのお勤めの会社で試してみてください。
安倍首相の逮捕を不要とするために必要なこと
ただし、ここで誤解してはならないことがあります。
安倍首相が「嘘つきかどうか」は些細な問題だということです。
本丸は違法行為があったかどうかなのです。
仮にそうならば検察などが動き逮捕すべきです。
大事なので復習のためにもう一度書きますが、先の首相説明にある「明細書がない」という件は自白しているのと変わりません。
「桜を見る会」をめぐる20日の衆院内閣委員会の質疑で、政府は今年の招待者名簿について、野党から招待者数や支出額などの資料要求を受けた5月9日に「シュレッダーで廃棄した」と説明した。野党は、森友学園の公文書を廃棄・改ざんした問題と通じる安倍政権の体質だとして追及を強めている。
『桜を見る会名簿、野党の資料要求日にシュレッダー廃棄』2019年11月20日朝日新聞デジタル
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191120-00000069-asahi-pol
資料提出を求められたら「シュレッダーで破棄した」って何かのギャグかと思いたくなります。
証拠をドリルで壊した元大臣や公文書を改ざんした官僚を「適材適所」と述べた大臣もいますが、それとやってることは同じです。
一般人がこれをやったら証拠隠滅とみなされて逮捕待った無しです。
こういった厳しい状況であっても安倍首相が仮に逮捕されるに値しないと考えるには、説明責任を果たしてもらうしかありません。
一国民としては、首相が逮捕というのは恥ずかしいものです。
「野党はブーメラン」という指摘について
ところで、これほどまでに逮捕案件であることが濃厚となる中で全く疑いを持たずに権力と同化する勢力が相変わらずいます。
それが安倍応援団と呼ばれる人たちなのですが、本件でも「野党はブーメラン」とずっと叫び続けています。
彼らの中ではなぜか「野党にも問題がある→だから安倍は悪くない」というとんでも論理が成立しているのですが、はっきり言ってアホです。
海江田だか鳩山だかが疑わしいとネットでお祭り騒ぎをしているわけですが、問題ならば彼らについても追求し、容疑が固まれば逮捕でもなんでもすればいいのです。
ただし、そっちを逮捕するにしてもその話と安倍首相のこの話題は切り離して考える必要があります。
現状嘘だらけの説明を行う安倍首相に疑いを持って追求するのは当然です。
野党は何も悪くありません。
仮に野党の側に類似の該当者がいればそのあと詰めればいいのです。
もしかすると今後の動き次第では想像以上に「歴史に大きく刻まれる光景」を目にする日はそう遠くないかもしれません。
ぜひ皆様も注目してみていただければと思います。