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経済

結局いつになったらデフレ脱却ができるのか

更新日:

アベノミクスが5年を経過しました。

 

雇用が改善したとか株価が2倍になったとか成果を強調する安倍総理及びその周辺のサポーターですが、一丁目一番地をお忘れでしょうか。

そうです。アベノミクスは「デフレ脱却」をうたって始まった政策です。

さて、今はデフレ脱却を果たしたのでしょうか。

 

2016年の段階で首相は「もはやデフレではないという状況を創り出すことができた」といいつつも「残念ながらまだ道半ばで、デフレ脱却というところまで来ていない」とわけのわからない日本語を話していました。

 

デフレ脱却できているのであれば「デフレ脱却しました」と言えばいいわけで、こういうごまかしがあるということは彼らの望むデフレ脱却は実現していないと考えていいでしょう。

 

ということはかれこれ5年以上もデフレ脱却に向けて政策を打ちながら効果が出ていないということになります。

市井のものとしてはいつになったらデフレ脱却するの?と思いたくなるのではないでしょうか。

 

今日は、デフレ脱却に関わる日銀の嘘を書きつつすでに実は悪い意味で「デフレ脱却」してしまっているということについて書かせていただきます。

なるべく平易にいつになったらデフレ脱却できるのかに対して答える予定です。

■デフレ脱却にまつわる日銀の嘘と非常識ぶりを振り返り

まずこの「デフレ脱却」に関して日銀が嘘と非常識を遺憾なく発揮していますのでその検証からしましょう。

そんな非常識な連中がまともな経済政策ができるわけがないとおもうには十分なほどの嘘と非常識ぶりを発揮しています。

 

まず黒田氏は異次元の金融緩和に先立つ声明として下記のように述べています。

日本銀行の黒田でございます。本日は、伝統ある日本記者クラブにお招き頂き、ありがとうございます。

現在、日本銀行は、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に2%の「物価安定の目標」を実現するため、「量的・質的金融緩和」を推進しています。

日本記者クラブにおける公演 2015年2月27日

https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2015/ko150227a.htm/

黒田氏は、2年程度の期間を念頭に物価目標2%の達成を実現すると2015年の年初に述べているのです。

氏はこの会見の中で「コミットメント」という言葉を多用しておりました。(詳細はリンク先を参照)

 

 

コミットメントとは、デジタル大辞泉によれば「約束。誓約。公約。確約。」とかなり強めの宣誓を意味する言葉です。

ダメなら腹切るくらいの決意を表しています。

 

実際岩田副総裁は2年で2%の物価目標が達成できれなければ辞めると啖呵をきっていました。(黒田氏も似たようなことを言ってたのですが、ソースが見当たりません。消えたのか。。。)

岩田副総裁は、昨春の就任前の国会における所信表明で、2年で2%の物価目標が達成できない場合は辞職する考えを表明したことに関し、「(達成できなければ)自動的に辞めると理解されてしまったことを、今は深く反省している」と語り、「まずは説明責任を果たすことが先決というのが真意だった」と説明した。

就任前の「目標未達なら辞職」発言、深く反省=岩田日銀副総裁 ロイター 2014年10月28日

https://jp.reuters.com/article/boj-iwata-idJPKBN0IH08G20141028

 

ただ、上にあげたロイターの記事通り、黒田総裁も岩田総裁もアベノミクス開始以来2年以上経った段階でデフレ脱却ができていないということを認めています。

 

この緩和失敗を受けてご存知マイナス金利というものを導入することになったのですが、黒田総裁はまたここでも嘘をついています。下記は産経新聞の記事です。(産経にしては珍しく政権に都合の悪い記事です)

 黒田総裁は、導入を決めた1月29日の金融政策決定会合直前の衆参の委員会で追加緩和やマイナス金利の可能性を否定し続けていた。1月の国会答弁を振り返ってみよう…。

「現時点で追加緩和する考えはない」(15日の参院予算委)

「付利(銀行から預かるお金の一部につく0.1%の金利)の引き下げは検討していない」(18日の参院予算委)

「現時点でマイナス金利を具体的に考えていない」(21日の参院決算委)

玉木氏の批判には「国会軽視」との怒りもうかがえた。

日銀総裁は嘘をついてもよいのか? マイナス金利導入に市場から怨嗟の声続々と… 産経新聞2016年2月26日

http://www.sankei.com/premium/news/160226/prm1602260003-n1.html

おそらく「現時点で」と言っただけで、後で気が変わったというのが黒田氏の詭弁なのでしょうが、これは最近の「記憶の限りでは」

に近しいものがあります。

マイナス金利の話は本筋ではないのでそのくらいにしましょう。

 

こうして黒田氏は晴れて敗軍の将となったわけですが、その目標達成がコミットできなかった理由について日経新聞は以下のように書いています。

日銀が量的・質的金融緩和の現状維持を決めた18~19日に開いた金融政策決定会合後の記者会見で、原油安の影響についての質問が黒田東彦総裁に相次いだ。10月末の追加金融緩和は、原油価格の大幅下落などの物価下押し圧力でデフレマインドの転換が遅れるのを「未然に防ぐ」ためと説明したためだ。目先に見込まれるのは「良い物価下落」。

黒田・イエレンを悩ます原油安 認められない「良い物価下落」2014年12月19日

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL19HJO_Z11C14A2000000/

黒田氏は物価目標の達成が難しい理由に原油安のデフレをあげています。

そして、それは経済に好影響を及ぼすことを認めながらも物価目標未達を後押しするとして頭を悩ませていると日経は報じています。

 

 

ここで黒田氏の非常識ぶりが露呈しているのはおわかりいただけるでしょう。

原油安がいいものだと頭では理解しているのであればそもそも「物価目標2%」というKPIが国民にとって良い目標ではないんじゃないかという考えになるはずです。ならないんですね。常識がないから。

 

これは中学生でもわかる話なのですが、経済学を勉強しすぎると意味不明な思考回路を遺憾なく発揮し始めるのかもしれませんが、原油安を嘆かなくなるような目標って目標自体がおかしいと思うべきですよね。

 

 

そして、デフレ脱却について極め付けのデタラメが最近黒田総裁から発表されました。これもなかなかの衝撃です。

 

2019年頃には物価目標の達成を確信していると述べていた黒田総裁がついに達成時期を削除したのです。(これで嘘つきじゃないよねてへぺろ的な)

 日銀は、黒田東彦総裁の再任と2副総裁の交代後初めての金融政策決定会合を開いた。これまで「2019年度頃」としていた物価上昇率2%の目標達成時期を、経済動向の見通しを示す文書から削除した。

日銀物価目標 達成時期の削除は現実的だ 読売新聞 2018年4月30日

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180429-OYT1T50120.html

読売新聞によれば「政策の自由度を上げるために目標削除は適切」との見解を記事の中で披露していますが、国民をなめてるとしか言いようがないですよね。2年で達成するとコミットメントを明らかにして撤回に撤回を重ねて7年後にようやく達成すると「確信した」のに目標を削除するって達成する気がないでしょう。言葉が軽すぎる。

 

最近思うのですが、日本では今嘘が常態化していて個別の嘘が取るに足らないもののように感じられてきているように思います。

だから、国民がいちいち反応しなくなってきている。

 

 

ただ、本件だけを切り取っても7年もやって何も成果でず、嘘ばかりつかなければいけないのは異常です。

根本的に何か間違ってると考えるのが普通です。

 

間違った勉強をいくらやってもダメだと学生の時に黒田さんは習ったはずだと思うのですが、いつまで同じ成果の出ないことをやり続けるんでしょう。

 

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■すでに「デフレ脱却」を果たしているが喜べない理由

さて、「デフレ脱却していない」ということを隠蔽するために嘘や非常識のオンパレードを披露する黒田総裁を批判的に書いてきましたが、それとは別に私は根本的にある壮大な嘘をついていると考えています。

 

それは今はもはやデフレではないというところです。

にわかには信じ難いように思いますが、デフレ脱却しているのです。

下記の総務省の統計を見てみましょう。

総務省統計局

平成25年を境に消費者物価指数がぐーーーんと伸びていることがお分かりいただけるでしょう。

平成25年というと今が平成30年ですから2012年です。

 

この年は安倍政権が誕生し金融緩和が始まった年です。

そうなんです。実は金融緩和でデフレ脱却していたのです。

いつデフレ脱却するのかという疑問が湧いている人からすると驚きかもしれません。

 

しかし、見てわかるようにデフレ脱却しているのです。消費者物価が見事に伸びています。

 

ここで疑問が湧くでしょう。

それなrば「黒田さんはデフレ脱却した」ともっと自慢すべきでないのかと。

そして、なぜ嘘をついてこれからデフレ脱却するかのようなごまかしをしているのかと。

 

 

その理由は悪いデフレ脱却(インフレ)だからです。

めちゃくちゃ当たり前のことを書きますが、インフレには2種類あります。需要増大に伴い賃上げとともに起こる物価上昇と原価コストの高騰による悪性のインフレです。

 

黒田さんはもちろん前者のインフレを目指して物価目標を立てているのですが、アベノミクス初年度に起きたのは後者の悪性のインフレなのです。

その証拠に先のグラフに出ている名目賃金は横ばいです。

賃上げを伴わない物価上昇はただの実質賃金の下落からもわかるように生活苦を誘引するものでしかありません。

 

それゆえに「我々はデフレ脱却を実現した」とこの状況で言おうものなら生活が苦しくなったじゃないかと袋叩きに合うのは目に見えているのです。

 

だから黒田氏はまだデフレ脱却していないことにしているのです。

これが一番黒田氏が指摘されたくない嘘だと私は考えています。

 

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■今求められる経済学より常識を重んずる態度

本日はいつデフレ脱却するのかについて今日は書いてきました。

その疑問に対しては二つの答えがあると思っています。

  • 2012年以降黒田総裁のもとコミットされた物価目標2%の達成は先送り先送りで2019年には達成を確信していたのに最近目標すら削除されたことからもおそらく現状の延長では達成されないということ。
  • そもそもデフレ脱却自体は悪い意味ではすでに達成している。賃金が上がらない中で円安による悪い意味での物価上昇だけしておりこれでデフレ脱却とはとてもではないが言えない状況である。

一つ目は「デフレ脱却」のデフレを供給過多による悪性のデフレという文脈の場合での答えです。

二つ目が「デフレ脱却」を純粋に物価上昇のサイクルに入っているかどうかという文脈での答えです。

 

いずれにせよ最悪ですね。

黒田総裁は何も成果を残してないどころか国民の購買力を悪性のインフレで引き下げたという意味で最悪の総裁だと私は考えています。

あと政策云々以前に安倍首相と同じで嘘つきすぎですね。副総裁も嘘ついてましたし、日本で嘘が常態化していることを示すいい例になっています。ひどいの一言。

 

嘘をついてはいけないという3歳にはならうことを忘れた大人が権力を振り回していることに恐怖感をもっと世の中の人が持つといいなと思います。

 

 

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