「安倍応援団」という人たちをご存知でしょうか。
これは端的にいうと現与党である安倍政権を何が何でも支持する人たちを指します。
つまり、現政権は消極的支持と積極的支持がいますが、後者に属すると言うことですね。
さて最近「桜を見る会」という首相主催のイベント巡ってメディアが騒がしいことは多くの方がご存知かと思います。
この一件はこれまで安倍政権を支持してきた人でさえ、見切った人が多かった事件でした。
しかしながら、そういった中でも徹底的に擁護するジャーナリストやら言論人は相変わらずいたのです。
これが他でも無い安倍応援団な訳ですが、本日はこの一件で安倍応援団の「正体」がよりくっきり見えてきましたのでご紹介させていただければと思います。
「桜を見る会」の問題点
さて、まず安倍応援団の正体を記す前に今回のトピックについておさらいをしておきましょう。
安倍応援団界隈では本件を「どうでもいい」「野党の印象操作」「民主党時代もあったんだから」といったトンデモテンプレートで矮小化していました。
しかし、結論から述べればどうでもいいどころか非常に大きな問題であるということを述べなければなりません。
この「桜を見る会」の問題点を端的に述べると「税金を私物化していた可能性が高い」というところです。
すでに報道がなされていますが、「桜を見る会」は首相のポケットマネーではなく、税金から拠出され開催がされていることはご存知のことでしょう。(ポケットマネーならそれはそれで犯罪ですが。)
コンセプトとしては各業界の功労者をねぎらう意味合いが強いようなのですが、そこになぜか自分の選挙区の人が大量に紛れていたのです。
これが税金の私物化疑惑に該当するのです。
会には各界で功績、功労があった人だけでなく、首相の支援者が招かれており、招待基準の不透明さや人数肥大化が問題視されている。参加者の一人は「特にすることはなく、芸能人を探して楽しんだ」と振り返った。
・・(中略)
安倍首相主催の会に参加したことはないという後援会メンバーの一人は「地元の人に功労者などいない。誘われた人が別の人を誘い、増えていったんじゃないか。これ以上の騒ぎになれば選挙にも響く。なくなってしまえばいいと思う」と話す。
『桜を見る会 事務所ツアー 首相、際立つ地元優遇』 2019年11月15日 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201911/CK2019111502000279.html
上の記事ではあくまで参加者の一人が述べていたことという風になっていますが、関係者のブログなどがネット上では大量に上がっていたことなどから安倍首相による「地元優遇」はほとんど間違いないのです。(一応疑惑という言い方はしてますが。)
もちろんこれに対する反論としては「地元の人=功労者」の可能性があります。
しかしながら、報道を勘案すると地元PTAの役員程度で呼ばれておりそれが「功労者」の定義として不適切なのはいうまでもありません。
仮に、そのような基準で招待が受けられるならば「桜を見る会」の参加対象者は何万人という世界になってきます。
結局は税金を使って自分の票集めに有利になる行動をとったとしか状況の説明がつかないのです。
もしこれを反証できるのであれば、首相には納得のいく説明が必要で「国会がお決めになること」という詭弁で許してはなりません。
なお、現在は前夜祭の方に目がいっていますが、あくまでそこは本丸ではありません。(もちろんそこにも追求すべき点がある事を後ほど述べますが。)
あくまで、押さえるべきは税金で拠出している「桜を見る会」というパーティーが自分の選挙区へのバラマキに私的流用されたのではないかという点なのです。
この点は何度繰り返しても足りません。
安倍応援団の正体がわかるエクストリーム擁護について
そうはいっても、安倍応援団と言われるくらいですからそんなことはどこ吹く風でとんでもない擁護をネットで展開しています。
どれくらいとんでもないかは見ていただければわかりますが、幹部クラスにもなると大喜利レベルです。
まずは安倍応援団の急先鋒でもある三浦瑠璃先生です。
首相が各方面からの「批判」を受けて来年の「桜を見る会」が中止になることとなった件を受けて下記のようにコメントをしています。
桜を見る会が中止に。おそらく「国民感情」への配慮。
時の権力者が催す宴には「なぜあいつが呼ばれた」になりがち。全ては国民感情次第ということなのでしょう。
でも大手メディアからも沢山招待されて皆さん楽しんできたんですよ。今わかったことではない。総数や予算は今後検討課題になるでしょう。— 三浦瑠麗 Lully MIURA (@lullymiura) November 14, 2019
全く今回の「桜を見る会」の問題点を理解してないご様子です。
そこまでバカではないと思うので、確信犯なのかもしれませんが「税金の私的流用」という問題に一切触れないのはひどすぎます。
しかも、「桜を見る会」が中止になったことに対して、法的にやってることは問題ないが国民が騒いでいるのでという首相側にさも「配慮」があったかのような提灯持ちは三浦氏ほどの実力がないとできません。
もちろん国民は感情的に批判しているのではなく、法的に問題があるのではないかと考えているから騒いでいるのですけどね。
さて続いては、これよりもさらにどぎついコメントを残された安倍応援団の小川榮太郎先生を取り上げます。
これは三浦氏を超える芸術の域に達している論評です。
まず、「やってもやらなくてもいい会だと言えば話は簡単だが」という前置きをした上で、「こうした花見の宴を総理が主宰するのは国の美風だ」と述べておられます。
「美風」というなんとも香ばしい表現が飛び出しましたが、そのような言葉で法令違反の議論を不問にするとはさすがは安倍応援団です。
そしてこれに続けて「行政そのものの公平性とは別に、政権支持者の優遇は当然生じるし、生じなければ逆におかしい」とまで述べておられ、税金を使用する「桜を見る会」だろうとも自分にとって利益のある人に使うのは当然だろうと開き直っておられます。
ただ、三浦氏を超える安倍応援団としての真価はこの後見えてきます。
なんと首相に直接電話をしてこの件に関する取材をした内容を公開して下さったのです。
しかしながら、この取材内容の公開で「援護射撃」の予定が首相を後ろから打つようなコメントを残してしまいます。
こんなにすぐに中止すれば、また「疑惑は深まった」とやられるんじゃありませんかと私が聞くと総理は大要次のように答えた。
「それはそうだけど、こんな状況では参加者が委縮してしまうから……。ブログから何から追跡されて嫌がらせされたりが続くわけだからさ」— 小川榮太郎 (@ogawaeitaro) November 14, 2019
首相が参加者への「嫌がらせ」があるから「桜を見る会」の次年度中止に決めたと述べたとここには記載があります。
三浦先生の援護射撃も全て無駄にしてしまう破壊力はさすがです。
本人も述べていた「美風」だなんだというのはどこへという感じですね。
本題に戻しましょう。
本件は「嫌がらせ」とか「国民感情」とかそういったふわっとしたことが問題なのではありません。
法律に触れるか触れないのかの問題です。
税金の私物化が許されるのか許されないのかが問題です。
安倍応援団を信用してはならない理由
まとめると、安倍応援団の正体は政府広報なわけですが、今わかっているのはこれらの人たちからまともな反論は現在のところ何一つ出てきていないということです。
安倍応援団がいかに信頼できないかはお分りいただけることでしょう。
最後に、彼らの問題点をまとめたいと思います。
一言で言えば、言論人でありながら「潔白」であればとるはずのない行動を次々にとる安倍政権側への疑問を全て無視し矮小化している点です。
これはモリカケと同じです。
いくつか挙げましょう。
まず、野党が本件に関して参加者の名簿を要求した際にどのように対応したと思いますか。
政府側は「捨てた」と述べたのです。一年も経たないスピードで捨てるって「公文書」の形をなしていません。
何も検証ができない。
しかも、この名簿の件に関する答弁で首相は「招待者の招致に関与していない」と言いながら実は事務所が取りまとめをしていたということが後日明らかになりました。
虚偽答弁なのはもちろんですが、やってることが「誠実な対応」とは正反対です。
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡り、内閣府は野党議員が国会質問のため資料を要求した当日に「招待者名簿」を捨てていた。また首相が「私は招待者のとりまとめなどには関与していない」と国会答弁したにもかかわらず、内閣官房は後に安倍事務所がとりまとめていたことを認めた。内閣が必要な公文書を廃棄し、首相の国会答弁も信用できないという状態だとすれば、国民を代表する国会が内閣をチェックできないのでは?
『内閣府、質問資料要求の当日「名簿捨てた」 国会・国民軽視の異常事態』2019年11月15日 毎日新聞
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20191115/k00/00m/010/297000c
続いては、これもひどいのですが、安倍首相側の「ホテル名義の領収書を安倍事務所が切った」という証言のです。
これが事実ならホテルニューオオタニはコンプライアンスが全くなっていないと言えます。(企業としてリスクありすぎ)
また、国家としても不正し放題になってしまいます。
最大の問題は、安倍事務所職員が参加者から集金して「ホテル名義の領収書」を渡したとされている点だ。
少なくとも、ニューオータニほどのホテルが、実際に金銭を受領していないのに「ホテル名義の領収書」を渡すことはあり得ない。「ホテル名義の領収書」が渡されたのであれば、その領収書の額面の金額に見合う支払が、安倍事務所職員からホテル側に前もって行われたはずだ。
『「桜を見る会」前夜祭 安倍首相の「説明」への疑問~「ホテル名義の領収書」の“謎”』2019年11月16日 Yahooニュース 郷原信郎
https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20191116-00151135/
ホテル名義の領収書を他者に渡すなんて「普通の感覚があれば」ありえないとお分かりいただけるでしょう。(安倍応援団にはないのですが。)
そして最後は今の話と絡むのですが、仮に安倍事務所が先にお金を受け取っていたならば、それを「収入」として政治資金の報告書に記載がなぜないのかというところです。政治資金規正法では仮にすぐに支出するにせよ一度金銭を受け取ったら記帳する必要があります。
そういう意味ではここも非常に問題のある行動です。
結局、こういった小さな嘘の数々は、根元が黒いのでそれを隠すために黒塗りするためのものでしかないでしょう。
本件は、「野党がだらしない」という論調を小川榮太郎先生をはじめ展開されておられてるのとは裏腹に、だらしないのはどう考えても安倍政権なのです。
引き続き警戒が必要です。