世の中一般について

日本の「愛国者」の頭がおかしい理由について

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私はテレビというものを持っていないのですが、いろんな場所に行くとちらちらとよく見る番組があります。

 

 

その番組というのは

 

 

外国人に日本の良さを語らせる番組ですね。(前も言いましたが)

 

 

どうも調べたところこの手の外国人に日本の良さを語らせる番組は複数のテレビ局がゴールデンタイムに放送するほどに人気のトレンドのようです。

 

 

また、テレビに限らず本屋に行っても日本の良さに気づこうみたいなテーマの本が平積みで置かれています。

 

いわゆる愛国ブームというのが我が国を昨今席巻していると言っても言い過ぎではないかもしれません。

 

まあ自分の国を愛するということ悪いことではありませんから素直に喜びましょう。。。

 

 

と言いたいところなのですが、私は昨今のこのテレビ番組や書籍を非常に嫌悪しております。

こういうことを言った日には反日左翼なのですが、もう少しお話にお付き合いください。

 

 

なぜ気持ち悪いのかと言いますとこのような形で掻き立てられる「愛国心」は虚妄であるからです。誤解を恐れずに言えば「愛国者」を自称する人は頭がおかしいのです。

 

今日は、昨今キーワードと言ってもいい「愛国者」について書かせていただきました。

 

■昨今の自称愛国者は頭がおかしい理由

「日本って素晴らしい」と思うことは「愛国者」と同義とみなされ一般的にはそれが良いものとされています。そして日本に批判的なものを持ち込む人は「非国民」「反日」と対照的に呼ばれたりしますね。

 

 

しかしながら、私はこれに異議を唱える立場にあります。

そのような自己批判を失った人は愛国者でも何でもなくただの頭がおかしい人間であると。

 

 

誤解を招かないためにあらかじめ補足しておきます。

自分の国に愛着を持つこと自体は非常に良いことと私も考えています。

しかしながら、そういった自然と湧いてくる(spontaneously)「愛着」とは異なり最近の「日本の国を愛している」と自称する連中は小金を稼いだりヘイト活動を展開するための手段として愛国心を利用しているだけなのが見え透いているので許せないのです。

 

 

例えば最近の薄汚い愛国者に下記のような言論があります。

  • 従軍慰安婦問題は商売人(売春婦)を日本軍が連れて行っただけで日本は悪くない
  • 韓国併合は植民地戦略ではない。むしろ日本は統治をしたので感謝されるべき
  • 在日朝鮮人からの生活保護費を取り上げろ
  • アメリカの押しつけ憲法を早く変えなければならない。
  • 朝日新聞は反日

 

とにかく日本にとって批判的な態度や批判的な事柄があるとものすごい勢いで攻撃を仕掛けます。中韓系か野党だたきが特に多いんですが、慰安婦問題なんかは関連裁判で朝日新聞が勝訴しまくっているのに御構い無しで攻撃を続けています。(もはや居直り強盗)

 

 

ところで、この頭がおかしい「愛国者」なる連中には共通の特徴があります。

それは「デマを流す」、「歴史修正行為をする」、「常識的には考えられない解釈を行う」の3本柱を携えそれを元に普通の人を敵にでっち上げ「反日」「左翼」「非国民」とすることで自らのアイデンティティを強固にするというものです。

 

私が今あげた商売愛国者が具体的にどういう人がいるかは「愛国者 有名人」で検索してみてください。私が上に書いたような意見を持っている人がゴロゴロ出てきます。

櫻井某とか百田某とか竹田某とか長谷川某とか津川某とか、、、、、、

番組名をいうのもはばかられるような某番組に出ているような人たちですね。(ニュース〇〇やそこまで言って〇〇〇とか)

 

 

 

「自分たちの国を悪く言う」→「反日だ!」→「俺たちが愛国者だ」

 

単純すぎる回路設計で敵を創り出す愛国者という名のカルトは日々気持ち悪さを加速させています。これを止めなければ我が国に未来はないほどに自称愛国者はひどすぎるのです。

 

 

 

我々市井のものがこういう頭がおかしい連中に先導されないようにするためには対策が必要です。なぜならば、「日本をほめること」をする人というのは自分がある程度いろいろと知識がなければ批判しにくい対象だからです。

 

さてその最低限つけておくべき知識について次の章で書きたいと思います。

具体的には本来の「愛国者」(保守派)と言われる人はどういう人かを知ることです。

 

あらかじめ結論から述べますと歴史に名を馳せた愛国的な人は昨今の自称愛国者とは全く逆の立場をとっていました。

 

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■日本に名を残した愛国者

私が自称愛国者に「頭がおかしい」と気づけたのは一つ大きな理由があります。

それが先に述べた過去の日本に名を残した「愛国者」(保守派)と言われた人のテクストに幸いにも目を通していたことがあります。

 

相対化して把握することで冷静に物事を見れるという話です。

 

そういうわけで、繰り返しになりますがまともに日本のことを考えていた人とはどういう人かを見ていくことはとても大切なのです。

では、少しだけ見ていきましょう。

 

日本の歴史に名を残した「愛国者」(彼らはそう呼ばれたくないと思いますが)とも言えるべき人たちの共通点はというと「自己(自国に)批判的な態度を取れたこと」につきます。

 

私が「自己批判的」と考えるまっとうな言論人に福田恆存がいます。

福田恆存の『近代の宿命』という小冊子に昨今の自称愛国者を全否定する記述があるので引用いたします。

明治政府の指導者たちは、自分たちも、また国民も、絶対にそのやうな空虚に堪へたであらうか。いやけつしてさうではなかつた。明治政府の指導者たちは、自分たちも、また国民も、絶対にそのやうな空虚に堪へえぬことを知つていた。天皇の神聖化とはこの空虚感を埋めるためにもち出された偶像以外のなにものでもない。それは復古ではなく、日本の近代を日本流に成立せしめるための指導原理であり統一原理であつたにすぎぬ。天皇制によつて近代の確立が未熟に終わつたなどというのは誠あやふやな観念論である。むしろ日本の近代がさほど混乱を惹起せずにすんだのは天皇制の支へがあつたからに他ならぬ。ぼくはその事実をもつて天皇制を擁護しようとするのではもちろんない。むしろそれゆえにこそ天皇制の虚妄なることを立証したいのである。

『近代の宿命』福田恆存(1947)文芸春秋ライブラリー

昨今皇室ビジネスを展開する自称愛国者たちはよく天皇制を無批判に賛美し、それを強化しようと画策しています。(櫻井某とか竹田某とかの本を読んだらすぐにわかります)

 

ああいうのを福田は批判しているのです。無批判的で陶酔的な愛国心を警戒しろと言っているのです。

 

もちろん福田は、「天皇制」というもの自体を否定していません。

むしろみるべきところも多分にあると考えていました。

 

一方で、それは単に日本が近代化を進める過程において課題となった思想的脆弱性をカバーするべく利用されたものだということを忘れてはならないと彼は述べたのです。

 

 

全く同じことを戦間期の言論人である戸坂潤も述べています。

以上「日本精神」に味到した人たちの見解に接してみたが、少なくとも今までに判ったことは、何が日本精神であるかということではなくて、日本精神主義なるものが、如何に理論的実質において空疎で雑然としたものかということである。で日本精神という問題も日本精神主義という形のものからは殆ど何の回答を与えられそうもないということがわかったのである。

『日本イデオロギー論』戸坂潤(1977)岩波文庫 p141

戸坂の場合は「日本精神」という言葉になっていますが、批判の本質は福田と共通で、「国を良くするために空虚な精神をどうやって啓蒙するか叫んでいるけどそんな空っぽのものは不要だ」と述べているのです。

 

その他、三島由紀夫も(一般的にはゴリゴリの右翼だと勘違いされがちですが)国粋主義的なものは全体主義を生むと警戒していました。

 

 

今あげた3名に共通するのは繰り返しになりますが、日本人という民族が陥りがちな問題点を批判的に捉えられるところです。

 

そして、彼らの日本批判は昨今湧いているような空っぽの思想に裏付けられた愛国的なものを逆に許せません。

 

批判的な心持ちを持つどころかそれを敵対視し、ただ絶賛するだけになることがカルトになるとわかっていたからなのでしょう。

 

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■自己批判的に我が国を捉えるのにおすすめの本

最後に、昨今の頭がおかしい自称愛国者とは異なり、知性溢れる保守派の本をリストアップして終わりにいたします。

彼らは反日、自虐史観者とも当時言われたこともあるそうですが、今残っているということ自体が彼らのただしさを示しているように思います。

 

下記の書籍を読むことで、愛国者ビジネスに加担したり差別行為が「愛国的」だと勘違いすることがなくなるでしょう。

 

 

いずれも日本という国及び日本人の弱さを徹底的に糾弾し、どうすればよいかを考え抜いた労作ばかりです。

 

こちらを血肉にすることで嘘だらけのネトウヨワールドとは決別できると私は思います。

以上となります。

 

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