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時事

【猿でもわかる】沖縄県による辺野古移設反対の理由

更新日:

本日は時事ネタで記事を書かせていただきます。

ホットなトピックを取り扱います。

 

取り扱うのは辺野古移設の件ですね。

 

長らく基地問題について行ったり来たりを繰り返してきましたが、ついに2018年12月14日政府側により辺野古への土砂投入が強行されたのです。

度重なる沖縄県の民意が選挙で示されていましたが、政府与党は辺野古への基地建設に本腰を入れてきました。

住民の反対の声がいくつもの選挙で示されている中での暴挙です。

 

 

 

ところで、日本の縦割り社会の弊害でもあるのですが、本島にいる人はこのことについてあまり詳しくありません。

無関心の方が非常に多い。

 

ただ、関心を持っていただきたいのです。

自民党はただの詐欺集団なのです。無関心でいることは巨悪に加担しているのと変わりがありません。

 

これは何度繰り返しても言い過ぎではありません。

 

本ブログでは沖縄県が辺野古移設へ反対をする理由について以前別記事で書かせていただいた際、多少なりとも反響をいただきました。

しかしながら、残念ながらまだまだ沖縄県が執拗に辺野古移設を反対する理由がわからないという意見が幅広くみられます。

 

そこで、今日は、改めて猿でもわかるということをこころがけ沖縄県が辺野古移設反対をする当たり前すぎる理由をまとめました。

これを読むことで、「確かに基地はない方がいい。しかしながら、中国の脅威がある中で安全保障の観点から米軍基地は必要。辺野古が現実的な解決策だ」という上から目線の「自称安全保障通」がどれほど情報弱者かお分りいただけると思います。

 

まずは知っておきたいことー「そもそも辺野古『移設』ではない」ー

まずあまり辺野古基地闘争について知らない方に知ってもらいたいことがあります。

これは前の記事でも指摘したところ反響がたくさんありましたので改めて書きます。(以前読んだ方はすいません。)

 

そもそも論として辺野古『移設』というラベルが嘘なのです。

自民党と御用メディアが流す詐欺です。

 

 

実際はどうなのかというと血税を大量に投入し、自然を破壊するというコストをかけ、軟弱地盤の上に基地を作っても結果的に普天間はそのままかつ米軍基地がもう一個増えるだけに終わる可能性が高いのです。

 

 

「えっ?住宅密集地にある普天間の基地が危ないので、それを返還する代わりに辺野古へ引っ越しするんじゃないの??」

 

この話をすると必ず上のようなレスポンスをよくいただきます。

実は私も調べるまでは辺野古移設に反対する理由がわからず、沖縄県の基地負担を軽減するために「やむを得ない」と思っていました。

 

しかし、これが違うんです。完全なる嘘です。やむを得なくありません。

 

こういった考えを持ってしまう理由が3つあります。

  • 少なからず自民党をまともな政治集団だと思ってしまっている
  • メディアが本分を放棄して政府広報に勤しんでいる
  • 無関心な多くの人が詳細を知ろうとせず流されていく

 

一言で言えば、酷い自民党の体たらくを野放しにしているメディアが悪に加担しそれに国民が流されているという話です。

 

実際、沖縄県が「反日左翼」「共産主義」「中国のスパイ」にのっとられていると思っている人はかなり多いのではないでしょうか。

ただその認識は誤っています。

 

沖縄が正常です。

沖縄が辺野古移設反対する理由は「左翼」だからでも「反日」だからでも「中国に売国するため」でもありません。

 

 

 

大事なので繰り返しますが、最近の自民党は平然と嘘をつくサイコパスカルト集団です。

自民党は御用メディアとともに明確な「悪意」をもって国民を騙しに来ています。

 

 

ヒットラーは「嘘というものは法外である場合にのみ高い成果をあげる」という趣旨の言葉を残しました。

今の自民党はまさに麻生氏が述べたようにまさに「ナチスの教えに学び」法外な嘘で乗り切ろうとしている陰湿な「ヤクザ」です。

 

 

一例を見て見ましょう。メディアとしての最低限のモラルも失った下記の産経新聞の記事などはいい例です。

政府広報に徹しています。

土砂投入は埋め立て工事の本格化を意味し、辺野古移設に大きく前進する節目となる。岩屋毅防衛相(61)は「今後も抑止力を維持した上で沖縄の負担を軽減する」と意義を強調する。

『【政界徒然草】辺野古反対派の主張の不可解 問題の原点に立ち返れ』産経新聞 2018.12.14

https://www.sankei.com/premium/news/181214/prm1812140007-n1.html

大臣が平然と嘘をつき、御用メディアがしっかりと大臣がいったことをそのまま垂れ流しているだけです。

同記事の他の箇所でも政府広報に勤しんでいます。

 

辺野古移設を考える際には「普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない」(菅義偉=すが・よしひで=官房長官)という原点に今一度立ち返るべきだろう。

『【政界徒然草】辺野古反対派の主張の不可解 問題の原点に立ち返れ』産経新聞 2018.12.14

https://www.sankei.com/premium/news/181214/prm1812140007-n3.html

 

産経新聞に限らず、Y新聞なども同系統の広報記事を作成し、政府の嘘に加担しています。

 

さて、私が嘘つきとのべる理由を書きましょう。

 

他でもない自民党が自供しているからですね。

つまり、辺野古基地を新設しても条件がクリアしなければ普天間は返還されないと自民党が過去に述べているのです。

 

動画をぜひご覧下さい。稲田当時の防衛大臣が「辺野古作っても普天間返って来るとは限らない」と自供しています。

 

動画を見るのが面倒な方は下記の琉球タイムズ記事で翁長当時の知事が稲田氏の発言を引用していますので、下記記事をご覧ください。

・・・米国会計検査院の報告で辺野古新基地が固定翼機には滑走路が短すぎると指摘され、当時の稲田防衛大臣が、辺野古新基地が完成しても民間施設の使用改善等について米側との協議が整わなければ普天間飛行場は返還されないと答弁した・・・(黒字下線は引用者)

『翁長知事の記者会見、コメント全文 埋め立て承認撤回を表明』沖縄タイムズ 2018年7月27日 10:55

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/289689

 

2018年の7月に辺野古「移設」が嘘だと自分たちで自供しているんです。

 

もちろん他の解釈ができる可能性もあります。

例えば、そのあとドラスティックに状況が変わり菅官房長官が産経の記事で述べていることが「事実化」した可能性。

もしくはそもそも稲田氏が嘘をついている可能性。

 

 

しかしながら、いずれも非常に考えにくいのです。

前者であればもっと報道されるはずですし、後者であるなら稲田氏の発言は撤回されてしかるべきです。

 

要するに、言葉選びは慎重にすべきではあるものの、辺野古「移設」自体が国家的な詐欺の可能性が極めて高いのです。

 

 

辺野古移設が「やむを得ない」という理由は一つもない

しかしながら、政府の度重なる嘘と広報に徹する腐り果てたメディアの努力が実り「普天間の危険を除去するために辺野古を作るのは致し方ない」という「空気」が生み出されてしまっています。

 

実際、悪気なく沖縄を「反対ばかりしている駄々っ子」だと思っている人はそのいい例です。

 

おそらく下記のような意見を見たことがあるでしょう。

 

「沖縄のためを思って辺野古に基地を作っているのに文句ばかり言うな!」

「反対ばかりしていてもダメなんです。中国の脅威がある以上これは仕方ないんです。」

「国の政策に県が反発することは許されない」

 

 

 

ここで思い出されるのが山本七平の名著です。

彼は著書の中で日本人という民族が経験でもデータでもなく、「空気」で意思決定をしてしまう傾向があると戦後分析を通して行いました。

では、この「空気」とは一体なんなのであろう。それは教育も議論もデータも、そしておそらく科学的解明も歯が立たない”何か”である。

『空気の研究』山本七平(1983) 文藝春秋 p16

まさに辺野古移設土砂投入は「空気」によって敢行されたのです。

 

 

しかし、いくら調べても辺野古移設が「致し方ない」理由など一つもないんです。

ここにもあげたように普天間が返還が履行されることが決まっていない例だけでも十分です。

 

環境問題やら地盤が何やらというのも問題なのですが、そこはいったん置いておいていいです。

根本的な嘘に気づいてください。

 

辺野古「移設」ではなく、単なる「新設」であり、基地を作ったところで普天間が返ってくるなど何も約束できていないんです。

 

私のこの書いていることが入ってこない人はあるフィルターが強すぎます。

それは前の章で述べましたが自民党を過大評価して見てしまうフィルターです。

 

 

ご存知ないかもしれませんが、他の件でも自民党は無能な結果ばかりです。

 

一例あげます。

「北方領土を取り戻せるのは安倍さんだけだ。」と騒いでいた領土交渉が今はどうなっているかご存知ですか?

 

何度も首脳会談をしたのに、3000億円をふんだくられた上に結局4島とも主権はロシアのものだと発言されている始末です。

しかもロシアは会談で日本側からそもそも引き渡しの話すら出てきていないと述べています。

 

明らかに2島返還論があった時よりむしろ後退しています。

「私は何度か日ロ首脳会談に同席したが、島の引き渡しに関しては一切、議論されたことはない」と記者団に語りました。

『ロシア副首相、日ロ首脳会談「島の引き渡し一切議論してない」』TBSニュース 2018年12月11日

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3546315.htm

 

他にも対韓国、対米国、対中国など失敗だらけです。

ただそれをテレビなどはろくに報道しません。

 

辺野古土砂投入が「致し方ない」と思う人は巨悪に加担する共犯

突然ですが、アドルフ・アイヒマンという人物をご存知でしょうか。

ユダヤ人の数百万人ともいわれる大量虐殺の責任者となっていた男です。

 

この男がどういう人間だったかが今回の辺野古移設に関して沖縄叩きをしている人と重なる部分があるので最後にお話しいたします。

 

 

アイヒマンは数百万人を殺したわけですが、ヒトラーのように異常者としての兆候はなく、極悪人でもありませんでした。

「普通の人」だったのです。

 

政治思想家のアーレントは「マクベス」「イヤゴー」を並べつつ、傍聴記録を記した『イェルサレムのアイヒマンー悪の陳腐さについての報告ー』において彼が単なる凡人であったと述べます。

私が悪の陳腐さについて語るのはもっぱら厳密な事実の面において裁判中誰も目を背けることのできなかった或る不思議な事実に触れている時である。アイヒマンはイヤゴーでもマクベスでもなかった。・・・自分の昇進には恐ろしく熱心だったということのほかに彼には何らの動機もなかったのだ。勿論彼は自分がその後釜になるために上役を暗殺するなどは決してしなかったろう。俗な表現をするなら、彼は自分のしていることがどういうことか全然わかっていなかった。(強調は引用者)

『イェルサレムのアイヒマンー悪の陳腐さについての報告ー』ハンナ・アーレント(2017)みすず書房 p217

 

詳細を書く尺がないので端的に書きますと、アイヒマンはナチスの忠実な歯車としてヒトラーから流れてくる命令を遂行していった結果、いつの間にか数百万人のユダヤ人を殺してしまった人間です。

 

彼自身に「悪意」や「殺意」はなかったのです。

自分が何をしているのかすら本当の意味で理解していませんでした。

 

アーレントは、裁判で「総統の命令に従っただけだ」と度々述べたのが印象的だと同著の中で述べています。

 

アイヒマンの一件が人類に教えているのは「思考し続けなければ、気付いた時に巨悪に加担していることがある」ということです。

 

 

まさに辺野古移設反対をする沖縄を叩いている自称安全保障通や自称リアリストはその一人です。

そして、それに流されていくことやよくわからずに支持すること、無関心でいる人も「共犯」です。

 

 

100回書いても足りないくらいですが、辺野古に基地を新設しても普天間が返る条件ではありません。

なのに数千億円(政府試算)〜数兆円(沖縄県試算)かけ、10年弱(政府試算)〜20年以上(沖縄県試算)の時間を投入しようとしているのです。

 

どれほど馬鹿げていることか。

仮に辺野古に基地を作ることが本当に「移設」ならばここまで沖縄県も反対に傾かないでしょう。(もちろん反対が0にはならないでしょうが)

 

 

沖縄県のデモを見てください。沖縄に「新基地」はいらないと書いています。少なくない人が「移設」ではないと気付いているんです。

 

沖縄に住んでいるからこそ我々とは桁違いの「真剣さ」と「リアリティ」を持っています。

 

 

ぜひ皆様にしていただきたいのはメディアや政府発表ではなく、辺野古移設について調べてみることです。

土砂投入までの経緯がデタラメのオンパレードです。

 

私の書いた内容に反論していただくのは結構ですが、いくら調べても「辺野古に基地を作ると普天間が返ってくるというソース」と「普天間軽減のソリューションが辺野古新設でなければ理由」は見つかりません。

 

あれば教えてください。

 

以上となります。

ご覧いただきありがとうございました。

日本はもう終わっています。

 

 

読書会を大阪とスカイプで開催しています。

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