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時事

北方領土問題は安倍首相のおかげで解決する?

更新日:

 

このブログでは時事問題について記事をちょくちょく書かせていただいていますが、ここにきて北方領土問題がホットなトピックになってきました。ネット上の記事には北方領土問題に絡めて衆参ダブル選挙に持ち込むのではないかというものさえあるようです。(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58727

 

安倍首相にとっても「地球儀外交」と言いつつ世界中を旅行していながら「具体的な成果」を語ることが難しかった中で北方領土問題を着地させることは非常に重要な関心事であるように思われます。

さて、実際ロシアとの北方領土問題は解決するのでしょうか?

 

今日はこれからさらに盛り上がってくるであろう北方領土問題について記事を書かせていただきました。

 

北方領土問題は解決する

まず、北方領土問題は解決するのかという疑問に端的に答えていきたいと思いますが、これに対する私の回答はイエスです。

ただ、それがいいように解決するかというとそれは極めて怪しく、どちらかというと国民の期待値を数段下回る着地の可能性が高いです。

それについて見ていきましょう。

 

北方領土問題に関する安倍首相の方針転換

さて、その根拠ですが、すでに安倍総理は支持母体であるいわゆる「右翼」の人たちの期待を裏切る体制に入っています。(2018年11月時点)

biz journalの記事を引用したいと思います。

 安倍晋三首相は11月14日、訪問先のシンガポールでロシアのプーチン大統領と会談し、今後3年以内に日露両国が平和条約を締結することで合意した。また、来年1月にも安倍首相が訪露し、プーチン氏との会談で詰めの協議を行うことも決めた。安倍首相は会談後、「1956(昭和31)年の日ソ共同宣言を基礎として、平和条約交渉を加速させることで合意した」と述べた。

ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/2018/11/post_25682.html
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この記事では安倍首相が「日ソ共同宣言を基礎として、平和条約交渉を加速させる」と宣言した旨が記載されています。

さて、この日ソ共同宣言というものがどういうものかと言いますと、少なくとも4島一括返還は放棄するものとなります。

 

ここはすごく大きな方針転換です。

少なくとも安倍首相及びこれまでの政権においてはその支持母体の期待に応えるべく4島一括返還を前提としてなければ平和条約を結ぶことはできないという立場を取ってきました。おそらく下記のような歴史的背景に基づきます。

 1855年に日露が初めて外交関係を結んだ日露和親条約で、国境が得撫(うるっぷ)島と択捉(えとろふ)島の間に引かれ、北方四島は1945年にソ連に占領されるまで、一貫して日本領でした。だから日本は、4島の返還を求めてきたのです。

『「楽観的すぎた」「撤退を」北方領土交渉、専門家が警告』 朝日新聞デジタル 2019年1月24日

https://www.asahi.com/articles/ASM1L5R8RM1LUPQJ00F.html

 

北方領土問題で方針転換をした安倍首相を評価する論調

さて、ここからは、先に述べた北方領土問題で方針転換をした(4島一括返還を放棄)安倍首相を評価する論調をご紹介します。

取り上げるのは佐藤優氏の記事です。

そうなんです。だから、そこのシーレーンを日ロできちんと確保して、日本としても、ヨーロッパとの重要な交通の動脈という形で持っておかなければならないわけです。

そういったことを考えると、北方領土問題さえ解決すれば、ロシアとは仲良くできる。そこのところに安倍さんが踏み込んだ。

もう一回言いますが、チョイスは二つ。「四島一括返還」を言い続けて一島も返ってこない、行けない、海も使えない、経済開発もできないというのが一つ目。二つ目は、二島が返ってきて、国後島と択捉島も含む四島へ自由に行けるようになって、海も使えて、経済活動もできるようになる。日本人が進出していくから、将来的に日本への帰属替えを要求する環境整備もできる。

『2019年夏、北方領土「二島返還」を問う衆参ダブル選の可能性』 2018年12月3日 現代メディア

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58727?page=4

佐藤優氏の主張としては4島一括返還を主張してもロシアは聞く耳を持たずこのまま続けても一島も返還されないのは明白だと述べた上で、まずは現実的な二島返還を成し遂げ、日本人が自由に行けるようにした結果、将来的な帰属替えを狙えばいいというものです。(実効支配をしようということですね。)

 

他にも政権に近い論調をいつも出しておられる高橋洋一教授も佐藤優氏と非常に近い見解を述べています。

高橋)4と言っている人からしたら、とんでもない話になるのでしょうけれどね。本当の交渉になるとこんなものです。領土は戦争でないと取れない。戦争でなく取るということは、非常に時間がかかって大変なのですよ。うまく行っても「2マイナスいくつ」というレベルだと私は思います。

『北方領土問題~現実的には「0と2島の間」』2019/01/23 ニッポン放送

https://biz-journal.jp/2018/11/post_25682_2.html

高橋氏も前後関係の文脈を追うと「4島返還は非現実的」と考えており、それをいつまで行っても何も発展しないし戦争でもしないと無理ということを述べておられます。

いつもは強気の高橋氏も2島すら難しいというのが本音のようで、外交とはこういうものだ、あえて進めようとした安倍さんはさすがだという見解を持っているそうです。

 

 

北方領土問題で方針転換をした安倍首相を批判する論調

さて続いては北方領土問題で方針転換をした安倍首相を批判する論調をご紹介しましょう。

反対派の意見は読んでいくと安倍首相の妥協に漬け込み結局はほぼ全ての主権はロシアのままの上に大量の金を巻き上げられるだけではないかというのが主流的のようです。

 

根拠として文春の記事を見ていきましょう。

こちら文春とは言えかなり多くのメディアの情報が引用されておりそれなりに信憑性があると考えられますので、まずは読んで見てください。

記事の中ではロシアの立場は安倍首相を評価している方々よりもかなり硬いと見ています。

 

いくつか例があるのですがロシア側は下記のような主張をしています。

  • 日本の国内法で「北方領土」と呼称していることが容認できない。(プーチンは「南クリル」と呼んでいる)
  • 主権がロシアにあることを前提にしなければ議論をすることさえ難しい。
  • 平和条約の交渉には北方4島がロシアのものだと認めることが前提となる。

 

この記事が述べていることを一言で言えば、スタート地点でまずは全部ロシアのものだと認めたら話を聞いてあげるとロシア側に言われているのです。

 

そのような状態であることは安倍首相や河野外相などの態度が物語っていると同記事内では述べられています。

*一つの例は、河野外相が貴社の質問で北方領土について触れられた時に「次の質問をどうぞ」と言い続けシカトした件で、もう一つが安倍首相が「北方領土」という呼称をプーチンの前では使わず「4島」という言い方をしていたものが挙げられています。

 

 

政府批判・政府擁護いずれの論調も合致するポイント

安倍首相の北方領土交渉について賛否の両面から見てきましたが、少なからずこの動きに関して政権支持・政権批判双方の論調が交わる箇所がありますのでそれを書きます。

 

それは、北方領土のうち択捉島と国後島はどうあがいてもロシアのものになるということです。

そして、世論調査でこのトピックについて圧倒的な割合を占めている「2島返還+その後も交渉継続」などというのはあり得ないということです。

 

ところで、私が両論読んだ感想ですが、安倍首相に近い論陣を貼る人たちでさえこの件については白旗だなということです。

その事実こそが北方領土交渉が日本人の期待値を超える着地をすることは0%であることを物語っています。

 

なお、ロシアでは2島変換すら反対の世論が強く、プーチン大統領も支持率がここ数年で下がっている中で支持率を更に下げるようなことはわざわざできません。

 

そういうことを鑑みれば、結局は全く返還に応じないか多少の入場を許可する「保護領化」がいいところでしょうね。

ただし、「保護領」にする場合でさえ、日本はそれと引き換えに大量の金を巻き上げられるのは避けられないでしょう。

 

まあロシア側の立場に立ってみれば日本に返還する「メリット」がないですからね。。。

 

次の選挙は日本人のモラルが試される

さて、最後にここまでを端的にまとめて終わりにします。

 

色々書いてきましたが、重要なのは安倍首相とプーチンの間に(自称保守派の期待する)「友好な関係」があるとしても4島返還は不可能に近いということです。

それ自体は、安倍首相自体も理解しておりすでに4島返還という方針は放棄しています。

また、安倍首相は内容に関係なく、とにかく着地させるという方に舵を切っているのもここ最近の訪露回数や発言からも見て取れます。

 

さて、国民としてはこの外交をどう評価するかが問われます。

選挙が近づいてきていますからね。

 

 

私は0点以下という結論です。

なぜなら、数年前我々の血税から「領土返還を国益にかなう形で着地させる」ことを趣旨としてバラまいた3000億円が何の役にも立っていないのが非常に大きい理由になります。

 

ほっしゃんのツイートがまさにその通りな内容です。

 

大金を貢いだのに自分達の主張をしたら「ふざけるな」と一蹴されるって関係性って無能すぎるでしょう。。。

外交ですらない。カツアゲですただの。

 

 

先の引用した現実的な道を模索する安倍首相を評価する意見も、私からすれば「楽観的」すぎです。

ロシアは1島さえ今のままでは返還するメリットがありません。

 

私がロシアの外交官や大統領なら、これまでの経緯から何も言わなくても金だけ貢いでくれるんですからその気にさせて更にカツアゲするでしょう。今の政権の外交はそれほど酷いんです。

 

飛行機乗って海外行っていれば「外交している」と判断するのは愚かです。

そんなの猿だってできるわけで、いや3000億円貢がないだけ猿の方がマシなレベルです。

 

 

次の参院選はこの無能すぎる政権に審判を下さなければさらにこれからも国益を失い続けるのは避けられません。

日本人のモラルが試される段階ですね。

 

以上です。

三千六百万人の一国民が三人の俗っぽい高等詐欺師によって不意打ちを受け、無抵抗で捕虜にされることがどのようにして可能であったのかは、まだこれから説明されなければならない。

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