安倍信者をご存知でしょうか。
一言で言えば安倍政権を何が何でも擁護し、支持することを是とする人たちです。一部では安倍カルトとも言われているほどなのですが、例えばその信者ぶりの例として代表的なのは北朝鮮問題ですね。
今、金正恩委員長が韓国やアメリカなどとの間で核放棄並びに対話外交へ踏み出しています。
これを安倍信者はどう解釈しているかというと「安倍さんが圧力をかけ続けたおかげで北朝鮮は対話に乗り出してきた」とか「安倍さんの働きかけでトランプ大統領が本腰を入れている」などと本気で言っているのです。
普通に考えて欲しいのですが、軍事力もなく独自のパイプもない北朝鮮が安倍さんにより「よし対話をしよう」となりますか?
普通に考えて「シンゾー」の頼みでトランプが動きますか?
ありえないと考えるのが普通です。
しかし、安倍信者の人たちは本気でそう思っていて、それを批判すれば「黙れ左翼」と発狂するわけです。
考えてみればわかるのですが、アメリカが本腰を入れて動き出したのは「シンゾー」が動機ではなく大陸間弾道ミサイルICBMを北朝鮮が開発しアメリカの本土攻撃能力を手に入れたからに他なりません。ニュース見てた人ならわかります。
一つ目の「安倍さんが圧力をかけたから・・・」というのも大嘘で、最近の金正恩が「なぜ安倍総理が直接我々に言ってこないのか」という言葉が象徴するように結局何の影響もなかったことが明らかになりました。
さて、この北朝鮮問題というのは単なる氷山の一角で、安倍信者の盲信ぶりというのは隅々にまで至っています。
なぜこれほどまでに熱狂的なのか。
今日は、安倍信者の特徴について書かせていただきました。
結論から申しますと、無思想性こそが安倍信者の特徴ではないかというのが私の考えです。
■安倍信者は保守ではない
安倍さんというと未だに「保守」派だという勘違いが主流的です。
おそらく彼自身が「保守」だと言っていることや左翼系と言われている朝日新聞と敵対していることから思われているのでしょうか。
「安倍さんは日本のために頑張ってる」という物語は信者には大うけです。
ただ、下記記事でも書いたのですが、安倍晋三さんは保守ではありません。
最近は「生産性革命」「人づくり革命」を筆頭に今や共産党も使わなくなった「革命」という言葉を連呼するほど保守的な態度はかけ離れた人物です。どちらかというと左の方の人ですね。
「革命」とは辞書を調べるとわかりますが社会の急進的な構造改革を意味します。
それゆえに保守思想とは相反するわけです。
事実、保守思想を知ったものであれば口が裂けでも「革命」などとは言いません。
エドマンド・バークでも、三島由紀夫でも、マイケル・オークショットでもいいのですが、「革命」を徹底批判しています。
ここで少しだけ反革命論者で最も著名なエドマンドバークの思想を紹介しました。
彼はフランス革命を批判した書物『フランス革命の省察』において下記のように述べました。
国がひどい有様で、このままでは将来にもなんら希望を持てないというのでない限り、革命など考慮するのは間違いだ。物事がそこまで悪くなれば、病んだ国家を救うために危険な非常手段に訴えるべきか、真に国を愛する者にはおのずから見えてくるだろう。全ては具体的な状況に即して判断されねばならない。
『フランス革命の省察』エドマンド・バーク(2011)PHP新書
革命というものは言語道断でダメだと彼は言っているわけです。
別段で指摘しているのですが、急進的なものは現状の良いものも損ね国がぶっ壊れるのでよろしくないと彼は述べたのです。
人間社会というのは「非対称」だという前提に保守思想は立つため「ぶっ壊せ」とか「聖域なき構造改革」とか「痛みを伴う改革」とか軽々しく言わないんです。
とにもかくにもどこをどう照らしても安倍さんは「保守」ではありません。
ですが、安倍信者はそれに気づけないのです。
■馬鹿げた世界観に彼ら・彼女らを動員するものの正体
ここで私が何を申し上げたいのかを改めてまとめます。
まず、安倍信者は「保守」でもないものを「保守」として持ち上げてしまっています。
そして、この異常事態に気づけないというというのが最も危険だということです。
ところでなぜ「革命」を標榜する人間が「保守」としてもてはやされるのでしょうか。
これについての私の考えはその支持者たちに自らの確固たる思想ないため、レッテルに簡単に流されてしまうからです。
今の社会というのはおかしなもので「いかなる思想にも支配されていない超人」のようなものを賢人と見なす傾向があります。
しかし、無思想性こそがカルト信者の第一歩だという考えが欠落しています。
この危うさの結果が20世紀から見られ続ける全体主義的な時代の流れだと私は考えているのですが、今もそれは収まるどころか日本人は一向に反省しません。
歴史を振り返り自分で咀嚼した思想を持ち合わせないからメディアが貼ったレッテルに簡単に流され続けるのです。
彼らが無思想であることがわかる象徴的な一つのいい例がありました。
それは、森友問題における佐川元国税庁長官の証人喚問の後の安倍政権の対応です。
佐川氏はご存知証人喚問で総理の関与は否定しつつも決算文書改ざんの経緯について何も明らかにしませんでした。
そのことについて安倍信者は「バカ野党」「佐川にいなされなワロタ」「こんなどうでもいいことに時間を使うな」といった形で野党を批判をしていました。
しかしこれがおかしいんですね。
まず、公文書の改ざんは近代国家としてあってはならないことです。
そして、佐川氏はいなしたわけではなく関係のないところでも刑事訴追の恐れという言葉を連呼したのに自民党の委員長が見逃したからです。
さらに言うならば、これが一番重要なのですが、あの佐川氏の証人喚問で一番バカにされたのは自民党の安倍政権です。
なぜなら、5年間も総理大臣と財務大臣やっているコンビが「お前らは俺らをまったくコントロールできてない無能だ」と叩きつけられた瞬間だったからです。
そして自民党の二階さんや石破さんをはじめ「全容解明」を証人喚問前に求めていたにもかかわらず、何も明らかにされなかったことを考えれば自民党という政党全員を敵に回す挑発行為だったと言っても良いでしょう。
普通このようなことになれば野党の比ではないほどに自民党は激昂しなくてはなりません。
しかしながら、なぜか「これで政権の関与がないことは証明された」といった幕引きをしようとしたり、生ぬるい退職金減額だけでことを済ませようと自民党はしているのです。
「野党=アホ=左翼」というレッテルに流されてるからこそこんな単純なことにも気づけない。
別にこれは私がえらいというものではなく、本当に普通に考えてもらえれば安倍政権がデタラメだと気づけると思うのです。
しかし、無思想とはこれほどまでにおかしな論理に流されてしまうようです。
無思想であるがゆえに何かに照らして思考する能力が欠落し騙され続けるのです。
安倍信者の特徴とはまさにそういうものなのです。
■安倍信者の今後
このように、安倍信者が無思想性にある人たちのことを指すという前提に立つ時、安倍信者の今後を予想することはそう難しいことではありません。
どうなるかというと安倍さんが倒閣されようが共に殉教するようなことはありえず、昨日までのことが嘘かのようにまた馬鹿げた思想に乗っかるのです。
実は、安倍信者というのはこれまでも似たようなものに熱狂してきました。
それは小泉政権かもしれませんし、民主党政権かもしれません。あとは大阪維新や小池新党などもあるでしょう。
中身は空っぽだけど「改革」と連呼だけしているような集団です。常に場当たり的な「破壊思想」にとらわれては騙されてきました。
後で考えれば馬鹿げたような嘘に本気で傾倒したことが何度あったでしょう。
小泉首相の構造改革はいいことがありましたか?
小池都知事の就任で改革が進みましたか?
維新の会のおかげで大阪は豊かになりましたか?
ここ20年の改革はそのほぼ全てが失敗に終わっています。
ですが、反省もしなければ徹底した思想もないからまた同じようなものに騙されていくのです。
ですから安倍さんを降ろしてもまた同じようなものに騙されます。
次は小泉進次郎氏や橋下徹氏でしょうかね。
いい加減にしないと国が滅びます。
安倍信者は国を滅ぼすほどの危険性があると今こそもっと周知されるべきかと思います。
安倍政権をなんとなく「民主党よりマシ」とか「安倍さんになってから外交は安定した」とかイメージで思ってしまっている人は今こそ冷静になってもらいたいものです。
下記は、本文を記載するにあたり参考にした文献です。