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時事

森友問題の決済文書「書き換え」は何が問題か。

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また森友問題です。

 

そうあの「いつまでやってるんだ」の森友問題です。

もう1年半くらいでしょうかね。長い!

確か豊中市の市議が2017年2月だったと思うんですが、情報開示請求をした頃からこの森友問題というのはメディアで報道され続けています。

その間、森友問題はいろいろなレイヤーに渡って問題点が指摘されてきました。

その一例が下記です。

  • 籠池氏による補助金の詐取
  • 籠池氏の長期勾留に関する人権問題
  • 財務官僚の虚偽答弁
  • 異常な愛国教育の実態

他にもいろいろあります。

たくさんありすぎて結局何が解決すれば終わるのかわからないということ自体が問題とも言えます。

 

ただ、最近その中でもクローズアップされているところが今日時点では特に重要です。

その問題とは決済文書の書き換えの問題ですね。

 

なぜ書き換えが起こったのかは最優先で徹底的に調査する必要があります。

なぜなら他の問題も異常なのですが、「近代国家という統治形態自体に挑戦するもの」だからです。

 

本日5月28日時点でこの件に関して財務省が新たな文書をたくさん出してきたこともありまた各種メディアが報じるようになりました。

この機会に財務省による決済文書の書き換えは何が問題なのかについてまとめてみましたので、ご笑覧いただけますと幸いです。

■公文書書き換えに関する最大の問題

さて、この財務省による決済文書の書き換えはどこがスタート地点かというと朝日新聞による2018年3月上旬に行われたスクープでしょう。当初はフェイクニュースなどと叩く論壇もいましたが、朝日の報道は正しいものでした。(朝日アレルギーのある人が未だに受け入れないですが)

 

 

これ以降、森友問題に関する様々な事実が次々に明らかになったという意味でもとても重要なとくダネでした。

例えば、明らかになった重要なことの一つに現職の理財局長が国会で1年間虚偽答弁をし続けてきたことが挙げられます。

文書を書き換え、それを隠蔽するために嘘をつき続けた結果、事態の解明を徹底的に妨害してきたのです。

 

 

これは、言い方を変えると官僚によるクーデターと言ってもいいでしょう。

国民から曲がりなりにも民主的に選ばれた代議士を1年間一人の役人が欺き続けたのですからね。

 

 

「土地値引きが適正かどうか」を追求する野党議員に対して「証拠を出せ」と上司である総理大臣や財務大臣も含め行政の側はずっと言い続けてきたのに、実はその反論していた行政の側が証拠の改ざんをしていたというのは限度を超えています。

 

 

 

さて、この近代国家の恥とも言える決済文書の書き換え問題ですが、私にとってはさらに恐ろしさを増幅させたことがあります。

それは、これだけの異常自体がおきながら誰も厳罰に処されていないということです。

 

 

首謀者として財務省をやめた佐川元国税庁長官ですが、先日不起訴になりました。

これで刑事罰としては不問ということですが、まあこれは法の不備が指摘されていましたので想定内だとしましょう。

しかし、財務省の信頼失墜行為という意味で組織に大ダメージを与えた財務省からの処分も大甘でした。

 

これが非常に恐ろしい。

現在のところ減給処分という形での退職金カットだけです。

そのカット額は微々たるもので5000万近くあると言われている退職金のうち4月当時は100−200万程度と言われています。

 

最近さらなる処分がなされるとの報道がありますが、初動で厳重処分となっていないところが異常です。

 

この程度の処罰であればまた同じことが起きるのを助長するとさえいるでしょう。

 

 

これは我々にとっても遠い話ではありません。

例えばあなたが毎年しっかり納税しているにもかかわらず、その記録が改ざんされ「あなたは税金を払っていない」と取り立てに来られたらどう思いますか。相当困ると思います。

ただ、「納税している記録」自体が書き換えられるとたとえ支払っていても「支払っていないこと」になります。

 

今そういう行政の信頼の根本が疑われることが森友問題では起きているのです。

そう考えればどれほど恐ろしいかはおわかりいただけるでしょう。

 

 

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■森友問題はどうすれば終わるのか

さて、話をもどしましょう。

 

この森友問題ですが佐川氏を処分して終わりにしようとする流れが一部でありますが、まだまだこの問題は終わらせてはなりません。

この問題はようやくスタート地点にたったにすぎませんからね。

 

スタート地点というのは「なぜ国有地が8億円も不当にまけられたのか」という問いを改めて検証することです。

結局、最初に豊中市議が情報公開請求をした時からこの疑問が未解決のままです。

 

今こそすべての文書を洗いざらいチェックしこの問題を終わらせなければなりません。

他にも議論すべきことは山のようにありますからね。

 

 

ただ、この問題の解決を積極的にしようとしない集団がいます。

それは「反日勢力」と言われる野党、、、、ではなく安倍政権率いる自民党です。

 

ここをなぜ勘違いしているのかわかりませんが、森友問題を長引かせているのは野党のせいではありません。

自民党です。一義的な責任は政府与党以外にありません。

 

そう感じさせるだけの理由はたくさんありますが、代表的なものだけでも以下のようなものがあります。

自民党は下記の五つの「なぜ」に答えません。

  • なぜ佐川氏を「適材適所」と言い続けたのか。
  • なぜ佐川氏の証人喚問を拒否し続けたのか。
  • なぜ佐川氏の証人喚問が行われた際、自体が明らかにならないことを野党以上に怒らなかったのか。
  • なぜ刑事訴追の恐れがなくなった佐川氏をなぜ再度証人喚問に付さないのか。
  • なぜ5月末に出されてきた文書の中でまた抜けている部分があることに怒りを持たないのか。

 

安倍政権が行政府を取りまとめる集団としてなぜか事態の解明とは逆の行動ばかり取っています。

特に安倍首相は去年の夏頃に蓮舫氏に向かって「ゴミがあるんだから8億円値引きは当然ですよ。何回聞くんですか!」とキレ気味に答弁していました。しかし、結果的にはそのゴミ自体が捏造で今や値引きの根拠など何も無くなったのです。

 

これに関して安倍さんがもし白ならば部下のせいで面目丸潰れです。

 

事態の解明を早急にするのではないでしょうか。

自分のプライドを傷つけられただけではなく意図はなくても国会で嘘の情報を伝えていたのですからね。

 

仮に彼の言う通り「ウミを出す」のであれば、怒りに狂って佐川氏だけでなく前任の迫田元理財局長も含め関係者をすべて国会に呼び出して話をさせるくらいでないとおかしいものです。

 

要するに言ってることとやってることが安倍さんを筆頭に無茶苦茶なんです。

 

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■森友問題で批判すべき対象

森友問題で野党や朝日新聞を未だに批判する人がいるのですが、これは繰り返し述べているように辻褄があいません。

確かに野党の追求のまずさはあったのかもしれません。時間の無駄があったこともあるのかもしれません。

しかしながら、その原因が野党のケイパビリティに求めるのは不適切です。

 

なぜなら、少なくとも森友問題の「証拠」自体を財務省自体が書き換え「証拠」の捏造がなされていたのですから。

1年間やっても何も前進しなかったのはある種当然です。個人的には誰が追求しても一年近く国会は空転していたと思います。

 

 

1万回くらい言ってるのですが、事態の解明ができないのは安倍政権及び自民党という政党の動きが鈍いからです。

これ以外にありません。もちろん財務省も腐ってるんですが、その腐ってる財務省を管轄しているのは財務大臣及びその上にくる総理大臣です。彼らにその責任がないわけがありません。

 

部下がクーデターとも言えることを引き起こしながら軽い罰で組織として処分をしたり、その人物の国会招致を拒否したりとやってることが自体を明らかにしようとする方向とは真逆です。

 

森友問題とは、自民党が関係者を国会に呼び出し、文書を洗いざらい出させれば1週間もかからずに終わる問題です。

 

 

仮に安倍さんの経済政策が素晴らしかったり外交が素晴らしいとしても、近代国家の土台を否定する事件とも言える森友問題の解明をこれほどまでに停滞させるのであれば行政府の長として不適格でしょう。

何でもかんでも朝日新聞や野党を批判していればいいというものではないのです。

 

嘘つきだらけの美しい日本になることを容認するのかという意味で国民のモラリティも試されているでしょう。

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