自民党ネットポーターズをご存じでしょうか。
主にインターネットを介して自由民主党を支援する団体です。
ボランティアではあるのですが、「自民党公認」の組織であり無料で誰でも参加できるという政治団体です。
自民党を熱烈に応援する人だけでなく、他に日本を託せるところがないからという人、自民党の議員個人を応援する人、日本の未来に不安を感じている人など、「何か行動しなきゃ!」と思っている人のための組織です。
夢と希望と誇りの持てる私たちの「日本」をともに創り上げたい!という方のご登録をお待ちしてます。自民党ネットサポーターズクラブ公式ページより
私、ブログ以外でもいろんなところでコメントしたり文章を書いたりするのですが、まあこの自民党支持者から攻撃が多いわけです。
自民党に批判的なことを書いているからなのですが、「左翼」「在日」などと次から次へと批判を受けます。
それでもなおネトサポは日本の敵であると私はいい続けます。自称愛国者でありながら国を壊そうとしていますからね。
そういう思いから日本の敵であるネトサポの特徴を今日はお伝えさせていただきます。
攻撃をうけ続けている中でネットサポーターズ(ネトサポ)の特徴がわかってきました。
今日はそのまとめとなります。
こういう発言をしてるやつはネトサポなんだな(日本の敵なんだな)と理解する一助となれば幸いです。
■目次
▶■自民党ネトサポ語録「じゃあ対案を出せ」
▶■自民党ネトサポ語録「〇〇はどうでもいい」
▶■自民党ネトサポ語録「民主党よりマシ」
▶■自民党ネトサポ語録「朝日だからフェイクニュース」
▶■自民党ネトサポ語録「安倍さんになってから外交は安定している」
▶■終わりに
■自民党ネトサポ語録「じゃあ対案を出せ」
ネットサポーターズ(ネトサポ)の正体を見破るにはその発言の傾向をおさえることがまずやるべき対策となります。
そこで、本記事では典型的なネットサポーターズ(ネトサポ)がする発言をご紹介いたします。
マニュアルでもあるのかと問い合わせたくなるくらい紋切り型の発言で自民党をサポートしますので、過去問をしっかり解くことが一番の対策になります。
さて一つ目ですが、「じゃあ対案を出せ」です。
こちらは自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)が行き詰まった際に出す切り札とも言える発言です。
アベノミクスを批判された時もそうですし、安保法案が違憲であると指摘された時もそうです。
この言葉の使い勝手がなぜいいのかというと、「対案が無いならそのままやらせてね」と論破した気になることができるからです。
ネットサポーターズ(ネトサポ)が「はい論破」という言葉を好みますがこの「対案を出せ」という言葉と発想が同じです。
ただ、ネトサポが勝手に自称している「保守」は、本来論破や「対案を出せ」とは言いません。
マイケル・オークショットという20世紀を代表する保守思想家がいるのですが、彼は『政治における合理主義』の中で以下のように述べています。
しかしながら、現代政治の最大の特徴はその合理主義的インスピレーションにある、という点を詳説する必要はない。政治は簡単なのだという行き渡った信念が、それ自体十分な証拠なのである。
『政治における合理主義』マイケル・オークショット(2013) 勁草書房 p23
オークショットはネットサポーターズ(ネトサポ)の発想を全否定しているんですね。
政治は簡単だという信念はあまりに愚かであると。ビジコンのようなワンアイディアで問題が全て解決できるようなことは政治ではありないのです。利害関係者があまりに多く会社の比ではないほどに熟議が求められます。
しかし、そういった議論をする体力のない自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)はすぐに万能薬を出せと騒ぎます。
日本の停滞を「郵政民営化」「構造改革」「TPP」「異次元の金融緩和」「大阪都構想」「都政大改革」といった何か少しやれば一瞬で物事が変わるかのように錯覚している人間が多いことこそが日本の停滞の原因なのですが、何回騙されても反省をしてくれません。
またすぐに即効性を求めてドツボにはまる。
ここ20年の改革で何かまともなものがあったのかとネットサポーターズ(ネトサポ)に聞くとおそらく窮するでしょう。
(まあそれに対しても「じゃあ対案を出せ」と言われるでしょうが)
堅実さを失い議論する体力を著しく失ったネットサポーターズ(ネトサポ)のような人間が日本を破壊するのです。
関連ワード「じゃあこのままでいいのか!?」
■自民党ネトサポ語録「〇〇はどうでもいい」
こちらは、自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)が最近辞書登録したと思われる語録です。
代表的な使用例が「モリカケはどうでもいい」ですね。
これを言ってる人は自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)の可能性が高いですね。
この語録はなんというか「対案を出せ」と同じ経路なのですが、議論に耐えられないということをこれまた表しています。
「モリカケはどうでもいい。北朝鮮問題などの方がもっと重大だ」と自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)はよく言ってるわけですが、これって何重にもおかしいんですね。
まず、モリカケより北朝鮮問題が優先されなくていい根拠を何も示してないんですね。
なのに「野党はいつまでやるんだ」と騒ぎ出す始末です。
他にも挙げますと「証拠がないからモリカケはどうでもいい」といってる連中がいますね。
こういった発言は少なくとも自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)が好きな「保守」ではありえません。
強大な権力を持つ人間は一般人と異なり「証拠」自体を握り潰せるという可能性を考慮していないんですね。
詳細については下記記事で書きましたが、権力者に対する盲目的な支持は何もいいことはありません。
権力者を絶えず疑ってかかることこそが自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)が自称する「保守的な態度」の本来の姿ではなかったのでしょうか。
なおモンテスキューでもブルクハルトでもマキャベリでもいいのですが、彼らが一貫して言っているのは、国が滅びる時、外圧が原因ということは稀で、ほとんどが内部から勝手に崩壊していっているということです。外圧で潰される時でさえ、それの前兆は内部の弱体化にあります。
モンテスキューは『ローマ人盛衰原因論』で以下のように述べています。
ローマの政治は、その誕生以来、人民の精神、元老院の力、あるいは、何人かの政務官の権威によって、その国家構造が権力のあらゆる濫用を常に是正できるような働きを保っていた点において、素晴らしいものであった。・・・
イギリスの政府はもっと懸命である。というのは、そこには、政府を不断に監視し、自ら自信をも不断に監視している団体があるからである。こうして、彼らの誤謬は決して長く続くことはないし、また、それらの誤謬は、国民に絶えず注意を怠らない精神を持たせることによって、しばしば有益なものとなっている。
一言にして言えば、自由な、すなわち、常に活発な政府は、その固有の法律を通じて、自ら矯正してゆく能力を持っているのでなければ、維持されえない。
『ローマ人盛衰原因論』シャルル・ド・モンテスキュー(1989)岩波文庫
イギリス政府の懸命さについてモンテスキューは権力の監視機能がうまく働いているからと指摘しているわけですが、この視点を自称保守のネトサポは忘れているんですね。
まあ最近は森友学園に関して「どうでもいい」とはとても言えなくなってきましたので、ネトサポもおとなしくなってきましたが、どうでもいいという権力者に対する思考停止はあまりに危険なのです。
関連ワード;「証拠を出せ」
■自民党ネトサポ語録「民主党よりマシ」
さて、自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)が食いさがる我々に対して差し込むもう一押しの言葉があります。
それが「民主党よりマシ」というものですね。
これは他のネトサポ語録とセットでよく使われます。
とても出てくる頻度が多いですね。
なぜ多用されるのか?
それは、この言葉を使うとあまり自民党の実態を調べていなければ「じゃあ自民党支持ー」「じゃあ安倍支持ー」と消極的にではあれ支持させることができるからです。
確かに民主党はひどかった。私もいいとは思いません。
シビリアンコントロールも知らない人間が総理大臣をやっていたり、デフレ化で消費税増税を強硬しようとしたり、日本の農業を切り捨てると平然と言い放ったりとロクでもなかったです。
ただ、冷静になってください。
民主党に批判的な人はその理由を改めて振り返った時にあることに気づくはずです。
その民主党の惨状を引き受けるだけでなく、さらにひどい愚策まで追加して急進的に進めているのが今の安倍政権ではないかと。
菅直人元総理が「平成の開国」と叫び、前原氏が「GDP数パーセントの農業のために参加しないんですか」と農村の切り捨てを叫んでいたTPPを民主党以上に発効しようとしているのは自民党ではありませんか?
デフレ下での消費税増税もそうですよね。(民主党の時は叩いていたくせに、安倍政権が増税しようとすると「ザイムショウガー」とダブルスタンダードを使うのがネポサポの特徴です。)
さらに加えて言うならば、民主党以上にひどい案件がいくつもあります。
例えば、国家戦略特区という名で移民を大量に入れたり、種子法を廃止したり、現行憲法の枠内で完全に違憲の法案を通したり、水道事業の民営化を画策したり、、、上げ始めるときりがありません。
本当に「民主党よりマシ」なのでしょうか。
確かに自民党が民主党よりマシだと思いたいのはわかります。我々はあの政権で痛い目を見ましたからね。
ただ、現実を見なくてはなりません。今まで経験した災難を超える災難が目の前にあるのではないかと。
ちなみにこの「〇〇よりマシ」という消極的選択への誘導は実はナチスが世論誘導において巧みに使った手法だと言われています。
ハンナ・アーレントという思想家がいるのですが、彼女は『責任と判断』においてナチスは大量殺戮へ国民を動員するための引き金に「<より小さな悪>の選択」が使ったということを挙げています。
政府の役人とすべての住民に、悪を悪として受け入れさせるように条件付けるために、<より小さな悪>という論拠が意識的に利用されていたのです。
多くの実例がありますが、一つだけ例をご紹介します。ユダヤ人の絶滅措置が実行される前に、次第に激しさを増しながら、一連の反ユダヤ主義的な措置が採用されました。これらの措置はどれも、協力しないと事態が悪化するという理由から受け入れられたのですが、ついには最後にはもはやこれ以上の悪いことが起こりえない段階が訪れたのです。しかしこの最後の段階に至ってもこの論拠が放棄されなかったこと、そしてその誤謬が誰の目にも自明なものとなっている現在でも、この論拠がまだ利用されているということには驚かされます。
『責任と判断』ハンナ・アーレント ちくま学芸文庫(2016)p61
これは行動経済学のプロスペクト理論とも通ずるものですが、人間は負債やマイナスになりそうなものに敏感です。
とにかくマイナスがないことをプラスであること以上に望むと言われています。
だからひどい目に人は合っている時「そちらを選ぶと負債が減るよ」と言われると飛びついてしまうのです。
これに漬け込んだのがナチスでしたが、自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)の「民主党よりマシ」発言もこれと似ています。
状況をより悪化させている可能性を検討してください。今の自民党は腐っています。
関連ワード;「共産党に政権を取らせたら革命が起きる」「民主党がひどいので他に選択肢がない」
■自民党ネトサポ語録「朝日だからフェイクニュース」
4番目は「朝日新聞」を目の敵にする自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)お得意のボキャブラリーです。
「朝日だからフェイクニュース」ですね。
自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)の結束力を確認するためにしばしば発せられる言葉だと私は考えています。
ところで、なぜこの言葉が愛好されているのか気になるかもしれません。
おそらくその理由は、ハイエクやアーレントが全体主義分析で指摘していることでもあるのですが、ある特定の世界観に大衆を動員するにあたっては敵を作り出すことが必須であるからです。共通の敵を持つことで強力な結束を得られるのです。
ちなみに朝日新聞はもちろんですが、朝日が叩かれる背景も加味すると中韓叩きもまた同じ系列のものです。
慰安婦報道で戦後最大の誤報をやりその誤報を過ちであったと認めない朝日新聞は自称愛国者からすれば何が何でも許せないんでしょうね。
確かに、慰安婦問題で朝日新聞の報道姿勢には問題がありました。
ただ、問題というのは多面的に検証が必要で、一概に鵜呑みにする必要はありませんが、下記のような記事もあるのです。
『相模原の男性が語り続ける 慰安婦への加害の記憶』
私は朝日を擁護する気も韓国も擁護する気もありません。
ただ、両者の見方を常に検討し続けることこそあるべき態度だと思うのです。
いい換えれば、客観性とは、優劣をつけないこと、そして介入しないことであった。この二つについて言えば、優劣をつけないこと、すなわち賞賛も非難も差し控える抑制の方が、介入しないことに比べればはるかに達成しやすい。
『過去と未来の間』ハンナ・アーレント(1994)みすず書房 p63
無批判な自国賛美は危険です。
よく中国や韓国が反日的な行為をすると自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)が騒ぎ出すのですが、無批判に日本が素晴らしいと言ってる自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)とどう違うのかと疑問を持たざるをえません。
朝日新聞を徹底的に扱き下ろす人はほぼ「慰安婦問題は日本に非はなかった」と断言します。
ただ、なぜそこまで断言できるのでしょうか。
見たくないものを見ないようにしていませんか?
考えてみると日本という国は歴史に向き合うのがとても苦手です。
明治維新にはテロリズムの疑義があったのではないかという側面から検証したり、第二次大戦期の日本はバカをやっていたのではないかといった批判的な側面から捉えるということから逃げてきました。
そういう歴史を特定の都合のいい形でしか解釈をしない日本人の弱点に漬け込んでいるのが自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)に属する著名人です。
百田尚樹氏、竹田恒泰氏、三浦瑠璃氏、ケントギルバート氏、櫻井よしこ氏などが有名ですが、彼らの本をネットで検索すると兎に角中韓を叩き、その発端となった朝日新聞を徹底的に扱き下ろすというのを馬鹿の一つ覚えのようにやっています。(この辺りの人は首相と懇意にする飯友でもありますが、ケントギルバートなどに至っては自民党から献金を受けていたという報道もあります。)
いい加減特定の自国に都合のいい解釈にのみ浸かることをやめなければ、自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)が軽蔑する状況に自らがなっているという笑えない状況になりかねません。
関連ワード;「韓国とは国交断絶すべきだ」「中国はひどい国だ」
■自民党ネトサポ語録「安倍さんになってから外交は安定している」
さて、最後です。
民主党は普天間でもめたことなどもあり、「自民党の外交は安定している。安倍政権を世界は評価している。」と自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)はよく言います。
これは私がやっているNewspicksなどを見ていただくとわかりますが、大学教授などの「知識人」なる人もそう言ってるんですね。
ただ、冷静になってください。
安倍政権は外交で失敗続きです。
例を二つだけ挙げます。
まずは対ロシア。
下記記事を読んでもらえればわかりますが、安倍さんはプーチンに北方領土の「ほ」の字も出せずに3000億円の拠出だけ約束してしまっています。
ロシアの法の下北方領土が統治されることもほぼほぼ固まっており、私の見立てでは北方領土の返還はもう実現しないことを決定付けた会談であったと私は考えています。(これで北方領土返還に向けて前進していると思った人がいたらぜひその理由を教えてください)
北方領土がロシアのものとなり3000億円だけパクられる。。。
これのどこに外交力があるのでしょう。
次に対韓国。
これははたから見ていると完全にコントなのですが、韓国に強気であるということが自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)と安倍政権を結びつける大きな要因だったはずなのですが、自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)への完全なる梯子外しをこの記事では確認できます。www.nikkei.com
安倍さんは何をしたのかというと、自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)が躍起になって叩いている「河野談話」を公の場で踏襲すると宣言したのです。
つまり「慰安婦問題は存在しなかった」と連呼する自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)を裏切り「河野談話を踏襲する」という意向を安倍さんは出したのです。
河野談話の是非についてはここでは扱いませんが、私が注目しているのが、自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)が一番許せないことを安倍さんはやっているのです。
彼らにとっては最悪の外交なのですが、なぜ「安倍さんは外交ではうまくやっている」になるのでしょうか。
しかも安倍さんは韓国に10億円を血税から拠出しています。
で、最近のタイムリーな話をしますと案の定、韓国は日韓合意の破棄をいい始めました。
自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)は韓国に対する憎悪を拡大させていますが、ちょっと冷静になってくださいと私は言いたいのです。
この程度の展開も予測できずにいた自民党の外交力のなさを批判すべきではないのかと。
韓国がそういう行動に出ることは自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)こそわかっていたでしょう?と。
日韓合意が破棄されようとも日本が国際舞台の場で河野談話を踏襲するとした宣言はもう消えません。
完全敗北と言わずになんというのでしょう。
■終わりに
自民党ネットサポーターズ(ネトサポ)に見られる特徴を書いてきました。
あえて三つにその特徴を分けるならこうです。
- 議論する体力がない
- 思考が停止している
- 自分が一番嫌がることをされているのになぜか愛し続けている(ストックホルム症候群)
他の政党よりは自民党はさすがにマシでしょと思っている人こそもう少し政治に興味を持って見て欲しいですね。
全然マシじゃありません笑