日本の政治がどうもおかしい
日本の政治が腐っている
そんな感覚を人々が多少なりとも感じるようになってもうどれくらい経ったでしょうか。
投票率が半数を下回ることが当たり前のような事態になっており、日本の政治は関心を持っても意味がないほどに腐っていると考える人が多いのかもしれません。
確かに、日本の政治は腐っていると言っても良いかもしれません。
ただ、日本の政治が腐り始めたのは最近のことではないんです。
今日は、今の日本の政治はなぜ腐っているのかについて書いていこうと思います。
■政治が腐敗する最大の理由
古今東西、国あるところに政治はあります。
そして、その政治が腐敗する所でいつも国は滅びてきました。
一般的には、「国が滅びる」というと侵略者が来て乗っ取られるといった「外圧」や「外敵」をイメージされるかもしれません。
しかしながら、世界史などをよくよく見て欲しいのです。
実際のところ国が滅びる時というのは内部崩壊の方が多いと思いませんか。
アメリカに負けたと言われる第二次世界大戦さえ日本側の軍部の一部の人物に権力が集まりすぎたという過程があったことは見逃せません。
そういった意味で、「外圧」だろうとも「内圧」が前にきていることがほとんどなのです。
そうはいっても「内部崩壊」は今ここで生きている我々にとってはそのリアリティを実感するのは容易ではありません。
ただ、あなたが、なんとなくでも日本の政治が腐っていると感じているのであれば、それは本当の可能性があるわけです。
ニーチェという哲学者は以下のように述べました。
個々の人々はこのような憂慮について何も知らぬかのように装っているが、我々の眼を欺くものではない。彼らの不安こそ、彼らがいかによくそれについて気づいているかを示すものである。
『若き人々への言葉』 フリードリヒ・ニーチェ(2013)古典教養文庫
その何気ない不安が実はあまりに真理をついていることがあり得るとニーチェは述べているわけです。
あなたの何となく「日本の政治が腐っている」という感覚もまた真理かもしれません。
私もその一人です。
では、腐っている理由とはなんなのかについて少し真面目な話をさせてください。
これはほぼ間違いなく「特定の人間もしくは団体に権力が集まってしまうから」ですね。
「三権分立」という概念を説いたモンテスキューがそれを指摘したことは極めて有名です。
『法の精神』で以下のように述べています。
専制政体の原理は、その本性からして腐敗しているから、たえず腐敗する。
『法の精神』シャルル・ド・モンテスキュー(2016)中公クラシックス P108
専制政体というのは「ある個人に権力が集中する政治形態」を指すのですが、これをまさにその本性からして腐っているとモンテスキューは述べているわけです。
同様のことをジョン・アクトンも「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対に腐敗する。」という言葉を通して伝えたのですが、兎にも角にも権力が集中することは腐敗を生みやがては国を滅ぼしてしまうと頭のいい人は皆見抜いていたんですね。
- 小泉純一郎
- 小沢一郎
- 鳩山由紀夫
- 橋下徹
- 小池百合子
- 安倍晋三
上記のような人物は「強いリーダー」として印象に残っている方も多いかもしれません。
しかし、このような強いリーダーというのは本当に日本を良くしたでしょうか。
いや、断じて一度たりともないでしょう。むしろ悪化させました。
あれば「具体的に」どう良くなったかぜひ教えていただきたいものです。
昔のことだと覚えていないという人には安倍晋三総理や小池百合子という政治家だけでも思い出していただければと思います。
まちがいなく、日本の政治をそして日本自体を腐らせた人物です。
■この言葉をいう政治家は信用してはならない
権力の集中が起こる時というのはその時点でもうすでに腐り始めており、集中化が完成した時さらに腐るということをここまで述べてきました。
今の日本というのはそれを繰り返していると私は考えています。
これは「数字」や「データ」で示せるものではありません。
(中間層の崩壊などは一つの指標かもしれませんが因果関係を認めるのは容易ではないでしょう。)
しかしながら、これはなんとなく感じるはずです。
昔は「強いリーダー」が出てきた後にはそのあとは多少揺り戻しがあったものですが、今は「さらに強いリーダーを」という流れができてしまっています。そしてさらにその「リーダーの顔をした詐欺師」が日本を腐らせているのです。
「改革」と朝から晩まで叫んでいる人物が毎年毎年入れ替わり立ち替わりする中で、回を追うごとにひどくなっていっているということに気づいている人もいるでしょう。
維新の会や安倍政権、希望の党というのはその集大成です。
おそらくこれから出てくる新党があるとすれば、これ以上に劣化したものであることは間違いありません。
既存の権力を攻撃し、それをむしり取ってさらに強大な既得権益を作り上げようとしているのです。
絶対に国をよくする「改革」など彼ら・彼女らにはできません。
この私の言っていることの「正しさ」は、実は当の本人たちの発言でわかります。
「大阪市が持っている権限、力、お金をむしり取る」橋下徹
「私は立法府の長であります」安倍晋三
「それはAIだからです」「人工知能というのは、つまり政策決定者である私が決めたということ」小池百合子
これのどこが改革なのでしょうか。
それがデタラメで詐欺であることは本人たちが自供してくれているのですから、「安易に改革を叫ぶ政治家」を絶対に支持してはいけないのです。
他に説明がいるでしょうか。
■日本の政治は良くなるのか
では、日本の政治はよくなるのでしょうか。
文章も終わりに近づきよくなるといいたいところです。
しかしながら、おそらく良くならないでしょう。
むしろ劣化していき、集大成として今の小池百合子の数百倍イカレタ政治家が独裁制を敷くのではないでしょうか。
今は、「一院制」「道州制」「改革」「既得権益の打破」といった政治家が増えてきていますから、おそらくこの手の発言をしている人間から出てくるでしょう。
今の日本が腐っている状況を元に戻すには、実は大胆な改革は必要ではありません。
明確な三権分立により、裁判所が「安保法案を違憲である」と言えるようにし、参議院を解体するどころかむしろチェック機能を強化するくらいのことをすればいいだけなのです。
そうすれば、強いリーダーが出てこないという素晴らしい状況が作れ、国に安定がもたらされるでしょう。