ここ一二カ月メディアを湧かせてきた「桜を見る会」ですが、国会を閉めて逃げ切ったつもりの安倍内閣の思惑とは裏腹に次々に新しい疑惑が出てきています。
直近でいうと、二つ出てきています。
今日はそれに触れつつ、いまだに「桜を見る会はどうでもいい」といってるバカについて書いていきます。
「桜を見る会」に関わる新事実
大きく二つあると述べましたが、まず一つ目です。
一つめは「ジャパンライフ」という行政処分も食らったマルチ商法の代表を総理大臣が自身の枠で招待して税金でもてなしていたという疑惑がより強まった件です。
ジャパンライフについては詳細は別途調べていただければと思いますが、一言で言うと詐欺まがいのマルチ商法を展開していた業者なのですが、入会者を信頼させるために「自分は総理主催の桜を見る会にも招待されている人物だ」と代表が触れ回っていたのです。
そういった人物でありかつ、行政指導が度々されていたジャパンライフのトップを「総理枠」で呼び出していたとなれば「不適切」と言わざるを得ません。
一応これまで官房長官や役人は「なぜかそのような人が紛れていた」といったような答弁でのらりくらりとかわしてきました。
しかし、数日前から潮目が変わりました。
共産党の宮本議員が2006年の公文書を国会図書館で確認したところ今年のジャパンライフが招待された番号である「60」という数字が2006年は総理大臣の推薦枠として使われていた(決済されていた)と指摘したのです。
この単なる便宜上の番号を毎年毎年コロコロ変えるような手間をかける意味はありませんから今年のジャパンライフのトップが呼ばれた「60」という招待番号は総理大臣が招待したものとしか思えないわけです。疑惑がより濃厚になったといっていいでしょう。
これを記者会見で指摘された菅官房長官の答弁はもう目を覆いたくなるほどひどいものです。
二つめは、安倍首相による後援会の買収がより濃厚になってきたということです。(公職選挙法)
下記は12月19日の毎日の記事です。
「桜を見る会」を巡る一連の問題で、野党の追及本部は19日、政府側へヒアリングを行った。安倍晋三首相の地元、山口県下関市の田辺よし子市議(無所属)が出席し、今年の「前夜祭」の際、5000円の会費を払わなかった参加者がいた、と証言した。
『今年の前夜祭「ニューオータニ領収書、見た人は下関に誰もいない」 野党ヒアリング詳報』2019年12月19日
ここに書いていることをあまり普段政治を見ない方のために要約すると、「桜を見る会」には前夜祭というものがありました。
これは安倍首相の講演会が企画したとされるものでホテルニューオータニで行われました。
その参加費が五千円だったと首相自体も認めているのですが、「そもそも5000円払わずにいた参加者がいた」とわかったのです。
これまでは宴会で5000円という「ポッキリな数字」が怪しいという疑惑が追求され、一部を安倍首相が補填したかホテル側が補填した一方で見返りに別のところで便宜を図ってもらったのではないか見られてきました。
しかし、第3の可能性が生じてきたのです。
悪質度でいうと最悪のもので、自分の後援会を首相がポケットマネーだか政治資金だかでもてなした可能性です。
後援会がタダで参加できていたら曇りなき有権者買収であり、安倍首相は逮捕確実です。
「桜を見る会」はどうでもいいというのがバカな理由
ここまでの疑惑からして、首相が公職選挙法か政治資金規正法に違反しているのは確実だと多くの識者が指摘しています。
そして、その悪質度がよりクリアになってきて役人も官房長官ものらりくらりかわすことが難しい状況になっています。
しかしながら此の期に及んで「桜を見る会はどうでもいい」といってるバカがいるんですね。
もう一度言いますが、バカです。
彼らの言い分によれば「景気対策、中国やアメリカとの外交、社会保障の問題等議論することが山ほどある。それなのに野党は揚げ足取りばかりして足を引っ張っている」のようですが、ここまでバカに拍車がかかると拍手喝采を送るしかありません。
要するにどうでもいいといってる人たちは「金額」を物差しにいっているのでしょう。
どういうことかといえば、「桜を見る会」はせいぜい一億にも満たない話なのに対して、先に挙げたようなものは数兆円数十兆円に関わる話である訳で、どちらを優先すべきかは火を見るより明らかだと言いたいようです。
しかし、この考えは二重にも三重にも間違っています。
まず、「目先の損得」のみで議論するのは会社ならまだしも政治領域ではふさわしくありません。
政治の大きな使命の一つに秩序を安定的にするという役割があります。
だからこそ暴力の独占が認められている訳です。
しかし仮にこの「秩序」を守らせる側が積極的に守ってなければ国として滅んでいるといってもいいでしょう。
警察があなたの家に侵入してくるようなことが日常的になる光景をイメージしてください。
もう安心して生きていくことは難しいでしょう。
今この警察が泥棒になっている状態なのが「桜を見る会」で起きていることなのです。
これを「どうでもいい」というのは泥棒に防犯対策をさせるほど愚かです。
「桜を見る会」というのは法を守らせる側が積極的に法を破ったり、公平さを提供するのが使命である行政が自分たちに利益のあるように私的に税金を使っていたりといったような問題なのです。
泥棒をやっている警察に街の防犯計画を立てさせるべきかと聞けば誰もが「アホか」というでしょう。
しかし、そのようなことすらわからない人たちが「どうでもいい」と馬鹿騒ぎしている訳です。
「桜を見る会」はどうでもいいと述べる前に
結論として言いたいのは、「桜を見る会」は我が国の秩序を守る戦いなのです。
共産党アレルギーの人が日本では多いでしょうけども、これに最初に火をつけたのは共産党です。
そして、この疑惑に関する資料を次から次へと出してきているのも共産党です。
一方で、嘘をつき書類を隠蔽廃棄しているのが自民党です。
そして、記者からの質問に答えにならない答えをして時間稼ぎをして乗り切ろうとしているのが自民党です。
革命政党と言われた共産党が国を守ろうとし、保守政党と言われた自民党が国の秩序を破壊しようとしているという地獄絵図が我が国で起こっていることです。
ぜひとも国会や野党合同ヒアリングでの「桜を見る会」の追求動画を見てみてください。
実際に見れば「どうでもいい」なんていう感情は沸き立ってきません。
最も高いモラリティが求められるとも言える政治家が積極的にモラルからの逸脱をしているならば、我々の市民生活でもモラルを逸した行為に背徳感を持つ人が減る展開が待っているでしょう。
多くの人がたかだか数千万円と考えることなく関心を持っていただければと思います。