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時事

ソフトバンクがたたき出した巨大赤字の意味することとは何か〜終わりの始まりか〜

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本日は財界が大いに注目していた日でもありました。

というのも、このブログでも取り上げてきましたが、ソフトバンクグループの2Qの決算発表だったのです。

 

この決算が注目されたのは、トヨタにつぐ時価総額と言われる同グループが「倒産するんじゃないか」とまで言われてきたからです。

ロイターやブルームバーグなど海外メディアは特にひどく孫正義オワコン説もかなり高まっていました。

 

 

実際、それは印象論ではなく、WeWorkの粉飾まがいの企業評価が暴落したこと、孫さんが立ち上げた2号ファンドの資金調達が苦戦していること、株価が大きく下落していることなどがありました。

 

 

前評判では、これまで天才孫正義に率いられ黒字を築いてきた同グループも赤字は避けられないと言われていました。

 

実際はどうだったのでしょうか。

 

単刀直入に言えば最近では聞いたこともないほどの巨額の赤字決算を発表しました。

 

本日は、日本経済の先行きすら担う巨体ソフトバンクグループの大赤字が意味することについて書かせていただきました。

 

ソフトバンクグループの7月ー9月決算概要〜巨額赤字の要因〜

日経新聞がYoutubeでもライブ中継をしていた今回の決算ですが、わたくしも視聴しました。まずは簡単にその概要をまとめます。

 

日経新聞は決算概要を下記のように報じています。

ソフトバンクグループ(SBG)が6日発表した2019年7~9月期の連結決算(国際会計基準)は最終損益は7001億円の赤字(前年同期が5264億円の黒字)に転落した。配車サービスの米ウーバーテクノロジーズなど出資先企業で株安が進行。シェアオフィス「ウィーワーク」を運営する、出資先の米ウィーカンパニーでも企業価値が低下傾向にあり、主力のファンド事業で多額の損失が発生した。同損失額は9702億円と前年同期(3924億円の黒字)から大幅に悪化した。4~9月期の純利益は50%減の4215億円だった。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51817280V01C19A1000000/

約7000億円の大赤字と記事にあります。

 

これは「年間」ではないというところに注意が必要で、「わずか3か月で」7000億円の赤字を出したのです。

 

 

東芝とかが年間で数千億という赤字を出していた時にも驚いたものですが、私自身3か月という期間でここまでの赤字を出したというのは今まで聞いたことがないレベルで驚きました。

 

 

逆に言えば、普通の会社であれば数十社は倒産する規模の赤字ですから、倒れていないのはある意味さすがはソフトバンクという感じです。

 

 

これほど赤字を出した原因ですが、それはWeWorkでも話題になったファンド事業にほかなりません。

別の記事ではファンドこそが昨年巨額の利益を出した原動力だと述べましたが、今回はその瞬発力が逆にでたというわけです。

 

ソフトバンクは何がやばいのか?〜株価暴落で倒産の危機か・・〜

 

実はファンド事業単独でいえば9703億円という一兆円規模の赤字を3か月の間に出していました。

この傷口を少しとは言えふさいだのがドル箱の通信キャリア事業です。

 

先日報道あった通りソフトバンクのモバイル事業のほうは増収増益です。

 当期売上高は2兆3731億円、営業利益は5520億円、純利益は3274億円。2019年度の年間予想に対する進捗は、営業利益62%、純利益68%と計画を上回っているが、新規事業への投資などを見込み、上方修正は行わない。

https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1216750.html

 

このドル箱がありながらトータルで7000億円規模の赤字をたたきだしたというのは凄まじくファンドでこけたと言い切ってよいでしょう。

 

これを受けての孫さんのプレゼン内容〜今回の赤字は問題ではない〜

孫さんは、この決算に対する第一声を「大嵐」とのべたように、全く問題がないといったそぶりは見せませんでした。

 

巨額の赤字は判断ミスであると。

このあたりはかなり誠実さを感じる発表内容で、変に強気でないところが孫さんの経営者としての力量の高さを感じるシーンでした。

ふつうは強がりたくなるものです。

 

 

しかし、そのうえでですが、ソフトバンクグループ自体は全く問題ないという論理が始まります。

その理由として最大のものは、ビジョンファンドで損失は出したものの大きく育った企業もあったからだと言います。

 

下記の15:23あたりをご覧ください。「株主価値の向上」と彼は連呼していました。

 

孫さんが述べたように、ビジョンファンド(WeWork含む)は3か月前より3000億円価値を目減りさせていますが、ソフトバンクグループトータルのポートフォリオを見ると2兆円評価額が積みあがっています。

 

特にというかほぼアリババ株が要因ですが、一応armやsprintも価値が増えています。

 

だから中長期で見れば全く問題がないというわけです。

 

確かに筋は通ってます。

 

3Q・4Qに明るい材料はあるという期待感を持たせるものでした。

 

ソフトバンクグループの転倒は一般市民を巻き込む

さて、こうして明るい未来を述べた孫さんですが、大赤字でも株式の価値は増えているから中長期で見れば問題ないという楽観的な見立ては鵜呑みにできるものなのでしょうか?

 

 

個人的にはこの話を聞いてもまだまだこれは序の口で下手をすれば次回は今回以上の赤字を出す可能性を感じさせました。

 

一回こけた時の損失の金額は桁違いなのが投資ファンド事業であり、次にさらに大きなショックが来た時に耐えきれるのかは誰も断言できないものです。

例えばトランプ大統領がアリババの上場廃止を検討しているというニュースもあったように、アリババというアキレス腱が切れたら一瞬で会社が飛びます。

(『トランプ政権、米上場の中国株廃止を検討 対中投資を制限=関係筋』https://jp.reuters.com/article/usa-trade-china-stocks-idJPKBN1WC22R

 

 

 

事実、ファンドという事業の不安定さはほかでもない今回のソフトバンクグループの四半期決算が示しました。

 

再掲ですが、3か月前にファンド事業単独で7000億円もの黒字をたたき出し1兆円規模の利益を出しました。

しかしながら、今回はたった3か月で一兆円近くの赤字をたたき出してしまったのです。

 

 

さて、最後にこの一民間企業についてなぜ私が再三取り上げるのかについて述べたいと思います。

理由はいくつもあるのですが、端的に言えば私も含めた一般市民がソフトバンクがコケたら巻き込まれるからです。

 

 

リーマンショック時を思い出してください。

 

当時、メリルリンチ、グレディスイス、UBS、ゴールドマンサックスなどが自分たちで博打をしておきながらそれが失敗した時に何がおきたでしょうか。

 

最終的に国から多額の救済マネーを注入され生き延びました。

当時国からの資金が入れられなければ今頃これらの会社はなかったでしょう。

 

 

では、この救済マネーの原資は何かと言えば「我々の税金」です。

つまり、金融機関が博打ですった分を一般人が肩代わりしたと言っていいでしょう。

 

 

この同じ構図にソフトバンクグループと我々がいると私は考えています。

言い換えれば、ソフトバンクグループが投資でこけた時にどうなるかというと我々の税金を投入して救済する可能性が高いということです。

 

 

これはよくよく考えれば、非常に腹立たしいことがわかります。

ファンド系のビジネスは本質的にはリスクを何もとっていないのです。

 

利益が出れば仲間内で分けるものの損失が出れば周囲に肩代わりさせていますからね。

 

 

国が救済しない分には勝手にやればいいのですが、ソフトバンクがこければみずほ銀行もこけますし、連鎖して大量の企業が倒産します。

 

この混乱を最小限にするために国としてはソフトバンクを助けるという判断にならざるをえないわけですけれども、これを許していいのでしょうか。

 

一人でも多くの方に是非ともこのような金融資本主義の問題点にぜひとも関心を持っていただけたらなとささやかながら願いつつ本記事を終わりとさせていただきます。

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