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世の中一般について

今の「頭のいい人」と言われる人の特徴がおかしすぎる件

更新日:

 

「なんでこんなに自分ってアホなんだろう。」

「なんでこんなに自分って頭の悪い人に生まれたんだろう。」

「なんでこんなに頭のいい人ってすごい考えできるんだろう。」

 

 

生まれながらにして「頭のいい人」であればと上のような思いを抱いたことはありませんか。実は私はもう何度も思ったことがあります。

 

誰でも羨むような頭のいい人を見て絶望したことがあるのではないでしょうか。

 

 

さて、こんな話題を放り込んでおいてなんですが、「頭のいい人」の特徴というとどういうものをあげますか?

もちろん「知性的」とか「判断がはやい」とか「周囲の判断にたじろがないで成功してくる」とかいろいろ抽象的なことをあげ始めるときりがありませんよね。

 

 

ただ、私はこと日本人が「頭のいい人」と呼ぶ人たちにはある特徴があると考えて言います。

 

それは肩書き美人ですね。具体例をあげましょう。

  • MBAを持っている
  • 東大を出ている
  • 外資系コンサルタント出身である
  • エコノミストである
  • 大学教授である
  • 会社社長である

こういう話をすると「頭のいい人かどうかは肩書きでは決まらない!今はそういう時代は終わった!」と言われそうです。

 

 

まあそういう人もいるでしょう。

 

 

ただ、今なおその人が「なんであるか」が「誰であるか」より重視されているのが誤解を恐れずに言えば「主流的」なのです。

なぜかこれを正面から言ってはいけない風潮になっているんですよね。

 

 

タチの悪いことに肩書きを持っている人に限って「これからは学歴ではない」「会社の名前で仕事をしている奴はだめだ」「誰が言うかで信用してはいけない」とか言い出すんですよ。(大○研一とか)

 

これってもう完全にブラックジョークです。

「誰が言うかで信用してはならない」ということをなんとか大学教授だか経営コンサルタントだかが言ってるんですからね。

 

納得してる側もしてる側で、結局誰が言うかで信用しているっていうオチです笑

 

 

まあ前置きはさておき、今日はこの「頭のいい人」と言われる人たちがどうもおかしいぞということについて書かせていただきます。

 

私の趣旨はpこんなものに付き合ってたら無茶苦茶な考えを持ってしまう」ということですね。

 

*内容については極めて主観的に「頭のいい人」を一般化していますので気分を害された方はトイレにでも行ってください。

■目次

 ▶今「頭のいい人」と言われる人たちにしばしば見られる特徴について

 ▶彼ら・彼女らはなぜ現れたか

 ▶「中立」を装う奴が来たら警戒せよ  

■今「頭のいい人」と言われる人たちにしばしば見られる特徴について

今巷で、「頭のいい人」と言われる人には細かな差異を挙げだすときりがないのですが、大きく見てその思想において共通点があるのです。

 

アカデミックな言い方をすると「新自由主義」と呼ばれる思想を共有しています。

簡潔に言えば、新自由主義は徹底した市場原理と個人主義を愛好します。

 

 

テレビをつければ「民営化」「規制緩和」と叫んでいる知識人いますよね?ああいう人のことを言います。

他には「企業に頼って生きる時代は終わった」とか「アジアにうって出ろ」とか言ってる人も同じです。

 

 

この「新自由主義」というのはフリードリヒ・ハイエクが20世紀にその端緒を生み出したと言われる思想で「自由」を至上の価値とします。

 

 

いうまでもないですが、「自由」にはヘーゲルの言葉を引用するまでもなく多様な意味があ流わけですが、ここでいう「自由」とはハイエクの考える「自由」をイデオロギー化したものです。

 

 

ではハイエクのいう鍵括弧付きの「自由」という言葉はどういうことを意味するのか。

 

 

これは現在の日本の知識層に見られる「自由」に対する共通の理解と同じなのですが「公的権力が何も関与しないことが良い」ということを意味すると言って良いでしょう。

 

「権力からの自由」と言えばいいでしょうか。

 

 

悪く言えばアナーキスト(無政府主義者)です。

 

 

これが原因で後々リーマンショックなどを引き起こすわけですが、我が国では未だにこの考えから修正が効かない人だらけなのです。

 

 

 

なぜここまで新自由主義は根強いのか?

これは誕生背景を考えることで見えてきます。

ハイエクの新自由主義が生まれてきた背景を少しだけお話しします。

 

一言で言えば、第二次世界大戦期に世界は国家主義のせいで痛い目にあったんです。

ナチスのファシズムやスターリンを中心とした全体主義が大量の人を殺し悲惨な結末を生み出したことはご存知の方も多いでしょう。

 

あれには個人より国家を至上の価値とするイデオロギーが根元にありました。

 

ハイエクも『隷属への道』においてこれらを例示しつつ国家の干渉がロクデモナイことを語ります。

「ファシズム」と「共産主義」をつぶさに観察した人々が、両体制の下では多くの要素が予期に反して酷く似通っていることに衝撃を受けたのである。いわゆる進歩主義者は、イギリスに限らずどこの国でも、共産主義とファシズムは両極端の思想だと未だに思い込んでいるが、その一方で次第に多くの人が、こうした新種の独裁はひょっとすると同じ思想的傾向の終着点ではないかと疑い始めた。当の共産主義者でさえ、例えばレーニンの旧友であるマックス・イーストマンの証言には少なからず動揺したに違いない。イーストマンは、次のように認めざるをえなかった。「スターリニズムはファシズムよりマシなどころか、もっと悪い。ファシズムより冷酷で野蛮で防いで不道徳で反民主的で、いかなる希望も懸けられず、いかなる両親によっても償えない」のであって、「超ファシズムと表現する方が当たっている」と。

『隷属への道』フリードリヒ・ハイエク(2008)春秋社 p164

要するに、新自由主義誕生の背景にはナショナリズムがキチガイじみたものとなってしまった時代を経験した反動が大きな要因があるのです。

 

 

そういう社会世相も後押しし、この後ハイエク先生はノーベル経済学賞も見事受賞されました。さてここからが重要です。

 

 

ノーベル経済学賞というのをとるとどうなるかと言いますと、「これが絶対に正しい考え」と世の中が考えるようになります。

 

それゆえに、「頭のいい人」がこぞってその人を真似ようとするんです。

 

 

こうして20世紀の後半以降、頭のいいと言われる人は本人が意識するとせざるとにかかわらずハイエクの思想を徹底的に学びました。そのリスクに何も気づかずに。

 

 

今日、彼らは口を揃えて下記のようなことを言います。

  • TPPに参加しなければ日本は世界の孤児になる。自由貿易こそが国力の源泉だ
  • 外資を国内に呼び込み国内経済を活性化させよ
  • 補助金漬けの農家や農協を改革して国際競争力を強化しなければ
  • ウーバーを早くもっと使えるようにしてタクシー業界の既得権益を破壊せよ

 

橋下徹、堀江貴文、竹中平蔵、大前研一、勝間和代、、、、、(敬称略)

 

 

今あげた人はだいたい似たような思想を共有しているからこの辺りが一致するんですね。一部ベーシックインカムがどうだとか言ってごまかしてますが本質的にはアナーキストです。

 

 

政治家は無能だから公権力は関与せず市場に任せた方が何もかもうまくいくと彼ら・彼女らは心の底から思っています。

 

そして、これらの思想を啓蒙するべく多くの識者が「自己啓発本」や「ビジネス本」というジャンルにおいて出版活動も継続的に行っているわけですね。

 

新自由主義者の本というのはタイトルだけ読めばその中身までいとも簡単に予測できるほどに内容が近似しています。

 

試しにあなたの周囲のビジネス書や自己啓発書を読んでいる人を連れてきてしゃべらせてみてください。

おそらく政治や経済については先ほどのような発想をし、生き方や人生訓としては下記のようなことを考えています。

「これからは国はあてにならないから自分で稼ぐ力をつけろ」

「日本はもうだめだから海外に売ってでろ」

「組織に所属する時代は終わりました。これからはフリーエージェント社会で誰も助けてくれません」

 

 

長くなりましたがまとめます。

 

 

今、世の中で「頭のいい人」といわれる人には共通の特徴があります。

それは、「自由」という名の下に徹底的に個人への干渉を減らす一方で、「自己責任論」を強化するという思想の徹底を共有していることなのです。

 

ナショナリズムは失敗したからという反動で徹底した個人主義を絶対視したこの世界はおかしくなりました。

 

周囲に気を使う政治思想を持てば「左翼」「マルクス主義者」と呼ばれるのです。

 

とんでもなく「主観的」なイデオロギーなわけですが、「客観的」だと思ってるわけです。

 

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■彼ら・彼女らはなぜ現れたか

ところで、なぜアメリカ人でもない日本人である彼ら・彼女らがアメリカの経済学者ハイエク先生の教えを体現しているのかというとこれには明確な理由があります。

 

1960年代後半以降からでしょうか。

多くの「頭のいい人」たちの代表例でもある官僚や企業人のエリートたちが経費でアメリカに留学するようになったり外資系企業で働くようになったのです。

 

 

第二次大戦をアメリカに負けたことで、アメリカに対する卑屈な根性があったことも影響あったように思います。

 

とにかくアメリカに学ばなければ強くなれないと多くのインテリ層が考えていたのです。

 

それを学んだ彼らはまさに自分が「偉大である」と確信を得て日本に帰国します。

そのあとやることというのは、日本での宣教活動です。

例えば、この手の人はビジネススクールの開講だったり、書籍の出版を積極的に行っていますよね。

 

人々への洗脳活動を一段と強化し、新自由主義者へと多くの人を導いたのです。

結果、時代を経るごとに思想と言われる一見彼らから縁遠い領域を自称「無思想」の個人主義的ビジネスパーソンが席巻するようになったのです。

 

 

その証拠に今や思想家と言われる人は思想を啓蒙する力を失いました。

 

ただ、彼らがとんでもないカルトにかかっていることは時代を経るごとに表に現れてきています。

・・・問題を考察するとは、隠れた何かを考察することだからだ。それは、まだ包括されていない個々の諸要素に一貫性が存在することを、暗に認識することなのだ。

『暗黙知の次元』マイケル・ポランニー(2003)ちくま学芸文庫 p46

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■「中立」を装う奴が来たら警戒せよ

最後に、この思想の是非について考えてみましょう。

 

この思想が世の中を席巻するようになってから何かいいことがあったでしょうか。

「失われた20年」と言いますが、失わらせたのはこの新自由主義者たちの思想なのではないでしょうか。

  • 市場原理に任せておけばいいのであればなぜリーマンショックは起きたのか。
  • 市場原理に任せておけばいいのであればなぜ格差は大きくなるのか。

自由主義的経済学を批判した代表的人物にジョン・メイナード・ケインズという人がいます。

彼は世界的名著『雇用、利子及び貨幣の一般理論』の中で下記のように述べています。

経済学者や政治哲学者の思想は、それが正しい場合にも間違っている場合にも、一般に考えられているよりもはるかに強力である。事実、世界を支配するものはそれ以外にはないのである。どのような知的影響とも無縁であると自ら信じている実際家たちも、過去のある経済学者の奴隷であるのが普通である。権力の座にあって天声を聞くと称する狂人たちも、数年前のある三文学者から彼らの気違い染みた考えを引き出しているのである。私は、既得権益の力は思想の漸次的な浸透に比べて著しく誇張されていると思う。もちろん、思想の浸透は直ちにではなく、ある時間をおいた後に行われるものである。なぜなら、経済哲学および政治哲学の分野では、二五歳ないし三十歳以後になって新しい理論の影響を受ける人は多くはなく、したがって官僚や政治家やさらには煽動家でさえも、現在の事態に適用する思想はおそらく最新のものではないからである。しかし、遅かれ早かれ、良かれ悪しかれ危険なものは、既得権益ではなくて思想である。

『雇用、利子及び貨幣の一般理論』ジョンメイナード・ケインズ(2008)岩波文庫

やばいのは公権力でも既得権益でもなく思想だと彼は述べます。

それを自覚していない人こそ一番やばいのだと。

 

その一番やばい人たちが新自由主義者でスネ。

 

彼ら・彼女らが愛好する言葉に「客観的に」という言葉があります。

本当にこの言葉を彼ら・彼女らはこのみます。

 

 

 

「自らの認識」を捨てて物事を中立に見れるようになったと言わんばかりなのですが、こんなのはデタラメです。

 

今は、おかしな世の中で、この頭のいいと言われる人たちのものの見方を守るために、多くの国民が犠牲になっています。

 

 

人のことを考えれば左翼でマルクス主義者らしいですから。

 

「どうして彼らはそんなマネができたのか」という問いに答えようとする時にまず最初に思い浮かぶ説明は、欺瞞と自己欺瞞は相互に連結したものであるという点となろう。つねに楽観的すぎる〔政府の〕公式声明と、一貫して見通しの暗い諜報機関の誠実な報告書との今日そうでは、公式声明では、それが公式のものであるというただそれだけで勝利を収めることになりがちだった。

『暴力について』ハンナ・アレント(2000)みすず書房

 

今の所この「頭のいい人」たちを無視するに至ることはなかなか難しそうです。

どっぷりつかったままです。

 

 

しかし多くの人がこの思想を自覚しなければ催眠状態は解けません。それゆえに一人でも多くの人が、「頭のいい人」に疑いの眼差しを向け、その発言の詳細をチェックし、デタラメがないか確認する必要があるのです。

 

思想を学ぶことで自分が侵されている思想を見抜こうということです。

以上お読みいただきましてありがとうございました。

 

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