このブログを書き始めて一年とちょっとが経ちました。
おかげさまで日本全国のいろんなところからアクセスいただきブログ運営自体は好調となっています。
ありがとうございます。
ただ、私の記事が読まれれば読まれるほど日本がやばいんだなあと感じずにはいられません。
なぜかと言いますと私のブログでPVを稼いでいる記事たちが下記のような記事だからです。
題名からして明るい内容ではないことがお分かりいただけるかと思います。
そもそもでいうと実はPVコジキになるつもりもなく書いた記事でして、ここまでこの手の記事が読まれるのは意外でした。
さて多くの人がなんとなく感じている日本のやばい状況ですが、2019年になったからと言ってチャラになることはありません。
むしろ加速します。
そこで、今日は来るべき不幸に対して避けることはできないまでもせめて身構えることくらいはできればと思いまして記事を書かせていただきました。
内容としては2018年のやばい一件を振り返ることで2019年を見通していきます。
国の底が抜けたとも言える森友問題での公文書の改ざん
さて2018年という一年ですが、これまでの数年も色々とやばい状況だったのですが、日本もここまで落ちたのかというのを「正式に」確認できた一年と言えます。
それを象徴する出来事はいくつかあるのですが、導火線に火をつけた一件がありました。
まずはその件を話しましょう。
私は日本がやばいゾーンに入ったことを決定づけた2018年のハイライトに森友問題を挙げます。
今や報道も鎮火され、「森友問題いつまでやってんだ!」「野党は早く証拠を出せ」「中国の脅威が迫っている。こんなことを議論している場合ではない」などと騒いでいた人の思い通りになっていますが、全然どうでもいい問題ではありません。
この問題が鎮火されたということは日本が近代国家であることを放棄した瞬間なのです。
なぜそう言えるのか。
それは財務省および内閣が行政として「公文書の改ざん」という前代未聞の出来事をおこしたにも関わらず「誰もロクに責任を取らずに風化させようとしている」からです。
ところで、この「森友問題」というワードについてですが、話題に取り上げるだけで「パヨクだ」と絡んでくる人が少なくありません。
そういう背景もあってか「興味を持たない方がいいのかな」と意識的に無関心になっている人がいるようです。
ただ、興味を持ってください。
これに興味を持つことはパヨクなどではなく普通のことでなのです。
あとで振り返った時に民主主義が終了したマイルストーンとなる可能性が極めて高いくらいのダメージを日本に与えています。
まだピンとこない方向けにもう少し踏み込んで話しますと、森友問題で起きた決済文書の改ざんの是非というのは憲法を改正すべきかどうかなどとは議論のレベル感が違うんです。
あなたが、専制君主か利害関係者でないならば「公文書の改ざんを許すべきか否か」と聞かれたら「ノー」と即答するはずです。
その「論外」レベルのことを行政はやらかしたんですね。
ですが、これを容認するということは身近な例で言えば、あなたが年間100万円の税金を払っていたとして、行政側で「50万円しか払っていません」「税金を払っていません」と作り変えられても「しょうがないな」と思えなくてはいけません。
あとは役人が自分の給与を一桁増やして起きながら報告書には今まで通りの金額を書いているのも「しょうがないな」と思えなくてはいけないでしょう。
どちらも到底容認できないのではないでしょうか?
「仕方ないな」「他に議論することがあるし」「中国の脅威があるから安全保障の話をしよう」なんて言ってられないレベルです。
公文書とは
「これは正しいか正しくないか」
「これはやるべきかやるべきでないか」
こういった選択にあたって第一に参照されるものなのです。
さてここの話をまとめます。
一言で言えば、森友問題というのはあらゆる議論の土台であるルールメーカーが八百長やっていたことを明らかにした事件です。
そして、それを正式に官庁が「認めた」というのもとても重要なポイントです。(これまでもやっていたかもしれないが、少なくとも否定はしていた)
ですが、このような問題に際して、誰も責任は取らず、その責任を取らない政権を容認しているのが日本国民です。ここも非常にやばいところに足を突っ込んでいると言えるポイントです。
*ちなみに、改ざん当時の責任者はどうなったかというと佐川当時の理財局長は一部退職金を減額(5000万はあると言われるうちの数百万程度)されたのみです。
また国会でこの虚偽の公文書を使ってデタラメな答弁を続けた太田当時の理財局長に至っては罰が与えられるどころか主計局長に昇進しています。麻生財務大臣と安倍総理大臣はもちろん留任です。(麻生氏は給与の一部自主返納みたいなのがありましたが彼の資産からすれば微々たるものです)
統治機構自体が腐ってることの証左でしょう。
**8億円の値引きの方ももちろん異常なので、文章の尺的に今回はかけませんでしたがそちらの件について知りたい方は別のエントリーをご覧頂けますと幸いです。
森友問題以降多発する異常事態
さて、このような異常行動を平然と取れる行政とそれを容認する国民が出来上がると国はどんどん傾いていきます。
権力の側としては決済文書を改ざんしても国民はキレないとわかればやりたい放題になるのは当然です。
案の定ですが、2018年だけでも異常事態が多発しました。
象徴的なものだけでも少なくとも3つあります。
- 働き方改革法案という法案の提出にあたって行われたデータ捏造
- 移民政策を解禁する入管法改正におけるデータ捏造
- 正当性を何も説明せず、震災が起きようが強行したカジノ法案
この国の行政はヤクザにでも乗っ取られているのかと言わざるを得ないほど酷い形で法案の成立となりました。
さて、どういったものだったかを少し振り返りましょう。
全てかくと字数にキリがないので、ここではデータ捏造の二件のみピックアップします。
働き方改革関連法案提出にあたって厚労省が行なったデータの捏造とデタラメ答弁
もう忘却の彼方にある方もいるかもしれませんが、まずは「働き方改革関連法案」について取り上げます。
こちらは財務省の公文書改ざんと同レベルでやばいことをご存知でしょうか。
一言で言うと厚労省という省庁は法案提出にあたってその正当性を主張するためのデータを捏造しました。
そして、そのデタラメなデータをもとに国会でデタラメな説明を続けそれがバレたら居直ってそのまま法案を強行採決したのです。
その顛末をご紹介しましょう。
前置きしますとここでは、法案の詳細は字数の関係から書ききれないため立法の提出過程にフォーカスしますのでよろしくお願いします。
*法案の詳細については下記エントリーをご覧ください。
この法案は色々と詳細には他にも中身はあるのですが、目玉は何と言っても「高プロ」に関わる部分です。
「高プロ」というのは平たくいうと、特定職種に関して残業代支払いを行わなくてもいいという制度です。
この残業代を支払わなくてもいいという極めて「毒」を含んだ高プロ制度の必要性を主張するにあたり厚労省は「ヒアリング調査」なるものを持ってきたのですが、これが付け焼き刃のデタラメだったのです。
下記の記事をご覧ください。
裁量労働制をめぐる捏造データに続き、現在国会審議中の「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)でもヤラセ調査が明らかになった。厚労省は「高プロは日本に必要な制度」と主張する補完根拠として民間企業などのヒアリング調査を挙げているが、ナント! 関連法案が国会に提出される前に調査した対象者がたった1人だったのだ。・・・
(中略) ところが、12日の参院厚労委の理事会に開示された資料によると、厚労省が高プロの可否などについてヒアリングをした計12人のうち、前身の労基法改正案提出前に実施したのは15年3月31日の1人だけ。他は同年5月11日が2人。今年1月31日が6人で、2月1日が3人だった。つまり、11人は高プロ案が国会に提出された後だったのだ。
『高プロで“ヤラセ調査”発覚 厚労省の姑息なアリバイ作り』 日刊ゲンダイ 2018年6月14日
この記事は何を言っているかというと、厚労省は法案の提出後に後付け的に法案提出の正当性となる根拠をかき集めたと報道しているのです。
捏造です。
普通に考えればわかりますが、法案の提出前に調査というのは行います。
そして、国会においてはその調査をもとに法案の正当性を議論するはずです。
しかし、今回の厚労省は法案提出後に野党に追求されて困ったので後付け的にデータを取って「調査しましたよ」と持ってきたのです。
完全にやり方がヤクザです。
このやばい具合は別に大学教授などに解説してもらわなくても時系列でおいさえすればわかるくらいひどいのです。
なおこの立法の形成過程には他にもやばいところはありました。
先の記事を読んでもらえればわかるかと思いますが、例えば調査人数が少なすぎます。
わずか12人ばかりにヒアリングをしただけで「調査した」と言ってるのです。
東大を卒業したエリート官僚が大人数でこんな低レベルのことをしていると考えればおそろしくないですか。
日本のエリートはいつからこんなにバカになったんだと思いたくなりませんか?
ちなみに、この法案では残業代ゼロにする職種については法案ではなく「省令」という内閣の閣議決定で作成できる設計となっています。
つまり、今後派遣法などと同様に内閣の裁量で残業支払いをしなくてもいい対象職種がどんどん拡大されていく可能性があるのです。
デタラメです。
事実上の移民政策解禁となる入管法改正にあたって行われたデータの捏造とデタラメ答弁
続いては、入管法改正です。
こちらは2018年の12月でしたので、記憶に新しい方もいるかもしれません。
もうマスコミは報道しなくなりましたが、これも財務省や厚労省と同レベルのデタラメ法案でした。
取り上げる法案は入管法という外国人の在留資格などを取り決めている法律です。
12月にこの法案が改正されたんですね。
*この法案の詳細については下記エントリーをご覧ください。ここでも立法の提出過程でどこがデタラメだったかに焦点を当てて話します。
一言で言えば、法務省は法改正にあたり厚労省同様データの捏造を行なったのです。
具体的には、現在最低賃金以下で働かされている外国人の方が多数いると話題になった際、法務大臣および関連する役人は聴取表「2870人」のうち最低賃金以下で働く人は「22人」しかいませんと答弁したのですが、野党による聴取表再確認の結果、約2000人程度が最低賃金以下だと判明したのです。
辰巳氏は、野党議員が書き写した失踪技能実習生の「聴取票」全2870枚で、最低賃金以下は22人との政府説明は崩れ、実際は7割の約2000人が最賃以下で、パワハラなども明らかになったと指摘。実習制度と新制度は「“地続き”だ」との指摘に「新たな制度だ」と繰り返す政府のごまかしも示し、今後も残る技能実習生にも最賃を保障すべきだと主張しました。
『技能実習生 ねつ造は国会否定』 しんぶん赤旗 2018年12月12日
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-12-12/2018121202_03_1.html
法務省は数を30までしか数えられない子供だけがいる省庁ではありません。東大のエリートが集まる省庁です。
そんなエリートが集まる人たちが結果について100分の1程度の数字に過少申告したのです。
ただ、残念ながら結局このまま採決されました。
4月には大量の外国人労働者が無計画に入ってくることはもう決まっています。
なお、こちらの法案も受け入れの外国人上限や対象職種について法案ではなく「省令」という内閣の閣議決定のみで決められるとしています。
この辺は国会中継の録画をYoutubeなどで山下法務大臣の答弁を見てみてください。
サイコパスですよ完全に。
日本はさらにやばい状況へ
色々書いてきましたが、日本がやばいということに多少なりとも気づいていただけた方がいれば幸いです。
その昔、私は政治家や官僚というのを「最低限のモラルはある人たち」というフィルターで見ていたものです。
しかし、それは完全に今年で崩れました。
今の自民党はヤクザの集まりです。
共産党や朝日新聞、中国や北朝鮮などの脅威なるものがあるとしても自民党よりは我々にとって脅威とはなりません。
自民党こそが国民の最大の敵です。
民主党が如何に無能だろうとここまで露骨なことはしていませんでした。
さて、自民党がやばいでこの記事を終わらせるつもりはありません。
このやばい状況を加速させているのは自民党だけではありません。
その自民党に議席を与えたり未だに高い支持を行う国民にもあります。
個別の政策には世論調査では反対の方が多いことが多いのに政権支持率が高いことからおそらく「野党がだらしないので他に選択肢がない」というテンプレにしがみついたり無関心を極めたことにあると私は推察しています。
しかし、これよりひどいものはありません。
全ての土台を崩しに行くというのは海賊とか山賊とかと変わらないんです。
政策の失敗とかそういうレベルの連中ではないという認識を持っていただきたいです。
自民党と共に戦後一貫して日本は歩みを進めてきましたが、このブランドを捨てるなら今しかありません。
まずは、政治に関心を持ってみるところから初めていただければ「やばい」正体はわかるように思います。
ご覧いただきましてありがとうございました。
ファシズムは、やがて力尽きて死滅する運命にある。というのも、まさにファシズムは自分でふりまいた約束を何一つ守らず、希望を何一つ叶えず、貧困を何一つ和らげなかったからである。ファシズムはプロレタリアートの革命的跳躍力を衰弱させ、階級的労働組合を駆逐し、賃金を切り下げ、労働時間を増大させてきた。
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